不可思議「修正」
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シュヴァルツェア・レーゲン、セカンドシフト。その名に2を意味する語をつけ、改めシュヴァルツェア・レーゲン・ツバイと呼ぶ。特に捻った名は持ち合わせていないが、その性能は格段に向上している。
AIC、それはラウラの切り札であると同時に足枷でもあった。今まで、絶対の盾はラウラの機動力を根こそぎ奪っていた。そもそもが数年前ならドッキリ科学だった代物を実戦投入したのだ。個人が扱うどころか、IS ですら装備すれば他の武装が満足に装備出来ない。加えて集中力を割く上、重い。稼働中は完全に攻撃が封じられるだけでなく、展開中の移動は燃費が酷い。しかし、其れを全て解決したのがツバイだ。
システムとしてのAICを分散し、小型化し、自律可能なポッドに落としたのがツバイの新たな武器“None line as border ”略称NLAB。出力を弱めた結果、対象の運動エネルギーをゼロにする程の力を失った代わりに、シュヴァルツェア・レーゲンの機動力を大幅に取戻し、また自律式にしたのでそちらに集中力を割く必要も無くなった。つまり、ラウラ・ボーデヴィッヒが新たに手にした機体は、極めて攻撃的な防御を誇るものだった。
ザンと、唸りをあげながら、七機目の無人ISがプラズマブレードの錆びになる。腕を振り切った隙をつくように、背後からミサイルが向かって来るが、NLABによって被弾するまでの時間が一秒から数千秒後までの未来に引き延ばされる。しかし、その未来にラウラはおらず、無人機のカメラが捉えたのは自分に向かいくる悪鬼羅刹だった。
彼女の周囲をNLABが囲むように護衛する。その数、僅か6。頭数では到底敵には及ばない。しかし、それを覆し得るからこそのラウラ・ボーデヴィッヒだ。
「……起動」
ラウラの口から切り札を発動するためのキーワードが洩れる。瞬間、対峙していた無人機の動きが急激に遅くなった。そして……
「解除」
急に外部からの負荷が消えた為自身の力で地面に叩き付けられることになった。無人機の最大の強みは効率的な戦いだ。確かに確率の入る余地のない戦いは堅実的だ。文字通り実力通りの結果を出せるのだから。しかし、裏を返せば、それは自分より強い敵と相対すれば負けるしかないという不条理を含んでいる。その点で言えば、ラウラは限りなく相性が悪かった。
地に伏した自機に敵が鎌をもたげてやって来る……
――回避。――不可。自機、欠損。援軍を……
また一つ、ISのコアが破壊される。
数の暴力で押せばいいという話ではない。ラウラは常に一対一で戦えるように戦術を練っていた。たかが機械ごときに超えられる壁ではない。
腕を振るうたびに敵のパーツが飛び散る。一言、口を動かすだけで周囲の敵が倒れていく。肩に装備されたレールガンから凶弾が弾け出す。弾が生み出す軌跡を見る事無く、それの
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