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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第21話 託された願い
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月3日 トールバーナ・教会〜
そこは、街外れにある寂れた教会。恐らくは何かのイベントがあって、それをする為にはフラグを立てなければならないのだろう、今来ても何も起こらず、何も無かった。
そんな場所で、待ち合わせをしていた。
待ち合わせ場所は、教会内の懺悔室。
『依頼の件だけど、もう必要無いと思うが、報告いるカイ?』
『……ああ、
彼
(
・
)
の発言と、貰った情報誌の裏を取りたい。頼むよ』
『ん……』
それは誰もいない教会内部で、静かに始まった
『219人。それは間違いないヨ。正式サービス開始後1ヶ月の元βテスターの死亡者数ダ。クローズドベータテスト。当選者1000人の内に正式サービスに移行した人数は825人。……正確に判った理由は企業秘密』
そう言うと、軽く表情を暗める。人の死を報告しているのだから、仕方が無いだろう。
『つまり、全体の死亡率推定値は、20%。比率で言えば ビギナー達よりも遥かに上回ってるヨ。……その原因も』
『ああ、そこまで合わさればもう判ってるさ。変更点。だろう? 正式サービス移行に伴う』
『その通り。時折ほんの僅かな差異が現れ……、それまでの知識と経験が、一気に落とし穴に変わル』
『だが、オレも貰った攻略本。これには様々な変更点があると、記載されている。……斧使いの彼も言っていたが、これは間違いなく、そして精度もかなり高いモノだ。でも命を落とす事になった。その訳は……』
自分でも判っている。判っているけれど、その推察を訊きたかったのだ。
『……元、βテスターだから、と言うのが大きいネ。培って来た知識と経験を過信したんダヨ。……
最後
(
・・
)
のメッセージのやり取りで、判っタ』
如何なるアドバンテージも無い。
彼
(
・
)
が言っていた言葉だった。だけど、誰にでもある
自尊心
(
プライド
)
が、狂わせてしまったのだろう。
『もうちょっと、安くしておけバ、良かっタヨ。……こんな事になるなラ』
『……情報は出回っていても、手に取る者達は少なかった。それに、それは買えない程じゃない。出し惜しみをしたんだ。本の表紙にも重要度が☆表示で5つ。満点だ。アンタのせいじゃない。斧使いの彼の様に、公開をすれば良かったんだ。経験者達が買ってな。……だが、ここまでくればもう無理だ。明日のBOSS戦、もし相手の装備が違っていたり、ステータスが違っていたり。……βテスターからの情報と違っていたら、もしも対応が遅れ、死人が1人でも出てしまえば……』
歯ぎしりをしながら、続きを応える。
『βテスターへの不信は、もはや抑えきれない』
キバオウの話を思い出しているのだろう。あれは、卑怯でも何でもない。……誰しもが心に抱いているモノだ。彼はそれを言葉に発しただけ、なのだ。
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