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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第七十二話 秘められる痛み ★
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が、あれから発作は起きていないというが本当にそうか?
「プレシア、悪いが先に戻っていてくれ」
「わかったわ。気をつけて」
俺が何かしようとしているのにすぐ気がつきプレシアに見送られながら空を駆ける。
確かはやての病室はあそこか。
その病室のベットは俺の予測した通り苦しむはやてがいた。
side はやて
静まった病室。
その中で私の荒い息が聞える。
全身が軋んで、息をするだけも苦しくて、胸を抑える。
少しでも痛みを苦しみを抑えたくて蹲る。
シグナム達に心配をさせたらあかんという私の思いが届いたのか、誰もおらんくなってからまた痛みが酷くなった。
そんなとき部屋に冬の冷たい風が入ってきた。
痛む身体で後ろの窓を振り返ると黒い恰好の何かが窓におった。
あまりの苦しみに死神の幻でも見とるんやろうか。
「……まだ行きたくないあ」
シグナム達と士郎君に出会って、すずかちゃんと出会って、なのはちゃん達と出会えて、これからもっと誰かと出会っていって。
いろんな欲が出てくる。
「やっぱり隠してたな。
まったく」
黒いナニカは静かに私に近づいてきて、優しく頭を撫ぜる。
その声は私の聞き覚えのある声
「……士郎君?」
「ああ、そうだよ」
「こんな時間にどしたん? 女の子の部屋に窓からお邪魔するやなんてマナー違反で」
痛みを誤魔化すようにそんな事を言ってみる。
そんな誤魔化しは士郎君に通じずに静かに抱きしめられた。
「し……ろう……くん?」
「我慢しなくていい」
ただ士郎君の温もりに包まれる。
「我慢なんてしとらんよ。
私は」
「ここには俺とはやてしかいない。
痛がっていい、泣いていい、シグナム達は見ていない。
心配させまいとしなくていいから」
士郎君の抱きしめる腕の力が少し強くなる。
「あ……私は……」
ただ私を抱きしめてくれる
「苦しいんよ。とても痛くて、泣いてしまいそうで」
「ああ、泣いていい。
我慢なんてしなくていい。
全部出してしまえばいい」
もう我慢できんやった。
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縋るように、士郎君を抱きしめて、声を抑えずに泣いた。
side 士郎
泣きつかれて眠ったはやてを横たえて布団をかける。
やはり苦しみを我慢していたか。
シグナム達に心配をかけまいと我慢し過ぎだ。
「まったく」
苦笑しながら頭を撫ぜ、涙の跡を拭ってやる。
さて、少しはこれで苦しみが紛れればいいんだが
はやてが泣く前に密かに張った防音の結界をさ
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