第零章 【Origin】
二話
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ーリン・マーフェスは昨夜のことを思い出していた
大会の前日、レイフォンと自分の養父は道場にいた。そこに夕飯が出来たことを事を知らせに行ったのだが、そこにあった張り詰めた空気があった
「ごめんなさい」
そうレイフォンが言い、二人の間にあった錬金鋼を掴んだのを見て驚いた
サイハーデンは刀を使う流派、しかしレイフォンの手にあった錬金鋼の形状は剣だったのだ
それは自らの流派に対する決別
何があったのか分からない。自分に幼馴染みのことが分からないことなど初めてだった
漠然とした思いを抱きながら、リーリンは映像に映るレイフォンの姿を見守っていた
(頑張って、レイフォン)
控室でレイフォンは時間を待っていた
次は決勝戦、なんとかここまで来ることが出来た
しかし、次の試合は一段と気をつけなければならない
決勝ともなれば話しは違い、今まで以上の技量を持った相手と戦うのだ
それに、遠目だが天剣の姿もいくつか確認できている。女王がいるかは分からなかったが、彼等の眼を欺くのはより一層の注意が必要となるだろう
自分が使う錬金鋼もそうだ。本来刀を使うサイハーデンでありながら剣を使い、技までも封じた
昨日のことを思い出すと、今まで自分を支えてくれたサイハーデンと養父への裏切りに、後ろめたい気持ちが沸き上がり胸を刔る
しかし、今後自分がしていくことを考え、自分が使うことこそが裏切りなのだと断じる
「時間です」
そう言われて意識を切り替え、復元した錬金鋼を握ると思考が研ぎ澄まされていく
迷いが、後ろめたさが、ありとあらゆる感情が削ぎ落とされただ目の前に有る敵を打倒する事のみを意識する
そして、舞台へと上がった
──外力系衝剄変化 ・閃断
まず先に仕掛けてきたのは相手の男の方だった
剄の流れを鮮明に見ることが出来るレイフォンは相手の動きを予測し、避けると同時に旋剄で距離を詰める
本来、莫大な剄量を持つレイフォンは真っ向から攻めても勝てる
しかし、剄量のことがばれたくないレイフォンはその手段を選べない
そこでレイフォンが選んだ手段とは自分の特技を活かすことであった
レイフォンは剄の流れが鮮明に見える為、相手が出す技がどういったものか、どの位の威力か、いつ頃来るのかが大体分かる
その流れを再現することで見た技を再現することまで出来る
それで相手の技を全て避け、少量の剄で打倒する。それがレイフォンが選んだ手だった
近付くと同時に剣が袈裟に振り下ろされる
体を屈め、剣を斜めに構えて受け流しレイフォンは一歩踏み込む
剣を流された相手は敢えて逆らわず、そのまま軸足に力を入れ、流されるままに体を回し強化した足
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