Chapter-3 第10話
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くさんある。500Gと言うのはハルカにとって今では安い金額となっている(ゴールドマンでも650Gは落とす)。
「良いんだよ。サービスだ!」
仕立て屋は豪快に笑った。ハルカはそろそろと500Gを渡す。
「まいど!」
「僕の鎧兜といい、ローラ姫のドレスといい、ありがとうございます!」
「いいんだ。ハルカ…………お前さんは勇者なんだろう?恐らく、伝説の勇者ロトの末裔だな。そんな気がするぜ」
「……そうです。でも、信じてくれるんですか……?」
「ああ。オレはお前さんを信じる。お前の顔を見て、そう思ったぜ」
仕立て屋の言葉に、ハルカは言葉に表せない喜びを感じていた。
(僕がなんだか認められている感じがして……嬉しいな)
そして、着替えが終わったローラ姫が出てきた。
「あの、悪いですが、聞いてしまいました。ハルカ様はやはり、ロト様の子孫だったのですね。私も信じますわ。ハルカ様」
そういってハルカに微笑む姿は、美しく見えた。
「おお、似合ってますぞ」
「ローラ姫、とても綺麗です。それと、嬉しいです。僕をそう言って信じてもらえるなんて」
「ありがとうございます……。だって、ハルカ様は強くて、優しくて。あの勇敢なお姿は、本に出てくる勇者ロト様のようでしたわ」
「あなたには感謝します、ローラ姫」
ハルカは片ひざをついて、ローラ姫に深々と頭を下げた。ローラ姫は少し慌てた様子、しかし笑顔で、
「そこまでしなくてもいいですわ。……でも、私はハルカ様を信じて生きたいのです」
とひざを突きながら、ハルカより下の目線でハルカの顔を覗き込む。
「ローラ姫…」
「さあ、暗くなってきたぜ。早いところ、宿に向かいな。夜は危ないからな」
「解ってますよ。では行きましょう、ローラ姫」
「はい!」
ハルカはローラ姫を抱えようとした。すると、いつも抱えてもらってばかりでは悪いから歩くことにした、と首を振った。
「あの……でもその代わり、手を……」
「解りました。手をつなぐんですよね。もちろん、はぐれてしまわない様に、僕がしっかりと握ってますから」
「……はい」ローラ姫は顔を真っ赤に染め、俯いた。しかしちらりと見えるその顔はとても嬉しそうだった。
「お二人さん、お似合いのカップルだねえ!」仕立て屋の男はニヤニヤしながら言った。
「で、では、また翌朝、来ます!」
「おう!」
ハルカとローラ姫は赤くなりながら、仕立て屋の男に会釈をして、後にした。
二人は夜の街をゆっくりと歩く。
人々がこちらを見る。「おめでとう!」と言う声が聞こえてきたり、「お熱いねえ!」とからかう声も聞こえる。
しかし二人は気にせず、歩いていく。
ハルカは何度もローラ姫を見つめる。水の羽衣姿のローラ姫は、涼しげで、美しくて、愛らしい……そうハルカは思った。
(あれ、僕
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