第二幕その九
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第二幕その九
「それじゃあおいらもか。やれやれ」
食べ終えたのでかなり上機嫌ではあった。
「行きますよ。それじゃあね」
こうして二人で部屋を出た。この時ピラミッドの玄室では僧侶達が神々を讃えていた。
「イシリスとオシリスよ」
「何という歓喜か」
「間も無く夜と昼が巡り合う」
「再び共にあるようになるのだ」
その夜と昼を讃える言葉からタミーノへの話になる。
「あの気高い若者は間も無く新しい命を感じ間も無く我々の聖なる務めにその身を捧げるだろう」
「彼の魂は雄雄しくその心は汚れない」
「間も無く彼は我等に相応しい人物になる」
「そうなるのだ」
ザラストロもいた。そして彼も言うのだった。
「彼は間も無く試練を乗り越える。そして」
「そして?」
「どうされるのですか?」
「パミーナを」
彼女の名前を出すのだった。
「娘をここに」
「わかりました。それでは」
「王女を」
そうしてであった。パミーナが連れて来られた。彼女はその目を真っ赤にさせていた。悲しみの中で父の前に連れて来られたのである。
「ここは」
「娘よ」
ザラストロは優しい顔で彼女に告げるのだった。
「彼は御前を待っているのだ」
「私をですか」
「そなたに最後の別れを告げる為に」
「最後の別れ・・・・・・」
その言葉を聞いて顔を蒼白にさせるパミーナだった。
「そうだ。ここに来るのだ」
「ここに」
「そうだ、タミーノ」
こう言うとであった。そのタミーノも連れて来られた。パミーナは彼女を見てだ。そのうえで彼のところに駆け寄ろうとする。しかし。
「駄目だ、今は」
「えっ!?」
「まだ駄目だ」
右手を前に出してパミーナを拒むのだった。
「駄目なんだ、まだ」
「そんな、どうして」
パミーナは今の彼の言葉を聞いてだ。さらに青くなるのだった。
「もうこれで御会いできないのですか?」
「それは違う」
ザラストロが絶望の中に陥ろうとする彼女に告げた。
「そなた達はまた楽しく再会できるのだ」
「ですが」
パミーナは父の先程の言葉から本能的に悟っていた。
「貴方を恐ろしい試練が」
「神々が僕を護って下さる」
「その通りだ」
ザラストロもその通りだというのだ。
「だからだ」
「ですが貴方は」
それでもだった。パミーナは心から彼を気遣って言うのだった。
「危機が」
「大丈夫だ」
しかしタミーノはそれでも決意を変えない。
「神々の御心が行われる。神々の合図が僕の掟だ」
「そうなのだ。だからだ」
「けれど」
その彼に尚も言うパミーナだった。
「貴方が私が貴方を愛するのと同じ位私を愛して下さるなら」
「どうしろと」
「そんな平気な顔をしないで下さい」
これが彼女の言
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