レジーナのやつ黙らせようぜ
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ジコチュートリオのアジトである薄暗いボーリング場。
「ったくよぉ、マーモ。レジーナの奴、ちょっと生意気すぎねーか?」
イーラは苛立ちをあらわにする。
「同感ね。いくらキングジコチュー様の娘だからって、我がままばかり聞いていられないわ」
マーモがそれに同調していた。
「ねえイーラ、今のうちに自分の立場を教えてあげる必要がありそうだとは思わない?」
彼女の提案にイーラは深く頷いて、意気込みを見せるように拳を握ってみせた」
「まったくだぜ! 僕達であいつを黙らせてやろう!」
二人は結託し、そして……。
目論見はいとも簡単に成功した。
「ねぇちょっと? ノドかわいたんだけど、なんか飲み物ないの?」
いつものように我がままを振りまいて、レジーナは美味しいジュースを要求する。その前はとうもろこしを要求してきたが、いざ用意してみれば「バターコーンがいいの!」と突っぱねられた。
もっとも、その時とうもろこしを出したのはベールだったが、見ているだけで腹立たしいのは二人とも同じことであった。
マーモはしめたとばかりに用意したコップに睡眠薬を混入させ、イーラが盆で運んで手渡して、今回はお気に召したのかレジーナはすぐにジュースを飲み干した。
それから、しだいに薬が効き始め……。
かくんっ、
眠気に飲み込まれたレジーナは首を落とすかのようにウトウトし、まぶたを重くした表情で欠伸をかく。
「ふわーあ……なんか急に眠くなっちゃった。おやすみなさーい」
無警戒に眠り出し、狙い通りにレジーナはすやすやと寝息を立て始めた。
それが二人の思惑通りだということにも気づかずに……。
「ぷははははっ、成功だぜ!」
よほど愉快な気分になってか、イーラは腹を抱えて笑い出す。
「イーラ? ベールの奴に見つかる前にとっとと運ぶわよ? キングジコチュー様の娘だからやめておけって、止めに来るに決まっているわ」
「わーかってるって」
二人はそれぞれレジーナの肩と両足を腕に抱え、暗い一室へと連れていく。寝台の置かれたその部屋で手足に手錠をかけ、レジーナの身体をX字状のように拘束した。
それから、二人は長らく待機する。
自分が拘束されているとも知らないレジーナは、呑気に寝息をたててヨダレを垂らし、幼い寝顔で数時間は眠り続け、待ちに待った挙句にやっとのことで目を覚ます。
ゆっくりと目を開いたレジーナは、すぐにはハッキリとは覚醒しない。
まどろみの中から完全には抜け出せず、だからか手足にかかった手錠にも気づかずに眠い顔ばかりをして、二度寝さえしようとしていたが、やがて経ち、レジーナはやっとのことで自分の状況に気がついた。
「え? なに? なんなのよこれ!」
手足を固定され、せいぜい手錠の鎖を揺らしてもが
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