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ドキドキ!プリキュア 18禁SS集
病み六花の自己中が解放される時・前編
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がある。ただでさえ時間を消費していた中、やっと駅が見えてきた頃には――

 ――既に二時間が過ぎていた。

     *

 六花はその場で体育座りになって、組んだ両膝に顔を埋めていた。
 そうでなければ、涙で濡れた顔をそこら中の一般人に見られてしまう。いや、傘もなくこんなところにうずくまっていては、やっぱり目立っているだろう。
 しかし、マナは必ず来るはずなのだ。
 顔さえ隠せて入れば、あとはどうでもいい。
「六花! ゴメン!」
 やっと、マナの声が聞こえてきた。
 すぐ目の前までやって来て、マナがゼェゼェ息を切らせているのが音でわかる。世紀の大遅刻を取り戻そうと、きっと大急ぎで走って来てくれたのだろう。傘なんて持っていないから、マナだってずぶ濡れに違いない。
 だけれど、顔が上げられない。
 涙ぐんだ顔なんて、見せられっこなかった。
「マナ、遅いよ……」
 六花はただ声だけを絞り出す。
「本当にゴメン、倒れたお婆ちゃんがいたから……」
 それだけで、十分にわかった。
 六花のことなどそっちのけで、マナは困った人の世話をしていたのだ。
「結局、人助けなんだね」
 涙ぐんだ声を、マナに突き刺す。
「放っておけなかったから! だから……」
「私のことは放っておいたクセに! なんで? なんでよ! 他人は駄目で、私だったら困っててもいいの? ねえ!」
 六花は初めて顔を上げた。
 マナの衣服に掴みかかり、頬をつたってアゴから涙を垂らしながら、六花は大きくわめき上げた。
「メールだってしたのに、電話もしたのに、何も返って来ない! ずっと無視してたの? そうなんでしょ?」
 自分は何を言っているんだろう。
 せっかく、遅れてでも来てくれたというのに。
 マナだってびしょ濡れなのに。
 自分の心を叫ばずにはいられない。
「ゴメン、気づかなくて……」
「それじゃあ、私のことは放っておけるんだね!」
「り、六花? 私そんなつもりじゃ……」
 だったら、連絡ぐらい欲しかった。
 何もなく待たされたから、本当は事故にでも遭ったのかもと、心配さえしていた。それが何事もなくピンピンしていた上に、自分よりもどこぞの他人が二時間以上も優先されていたのだ。
 さも申し訳なさそうなマナの顔を見た瞬間から、もう怒りしか沸かなくなっていた。
「マナの……」
 六花は涙に濡れた顔でマナを睨む。
 そして、鼓膜にも響くほど大きな声で、

「マナの馬鹿!」

 怒鳴り散らし、六花はそのまま走り去って行った。

     *

 六花を傷つけてしまった。
 自分はただ困った誰かを助けたかっただけなのに、それが六花を困らせることになってしまっていたのだ。
 六花はいつも言っていた――マナは周りに愛を振りまき
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