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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第十七幕 「転入生は突然に」
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中国か・・・)
何とはなしに2年前突然中国へ旅立った友人を思い出す。
連絡も取れないため元気にしているかも分からない彼女は、今どこで何をしているのか。
「おーい、一夏!いるか!?」
「?」
「この声は・・・ゆーゆーだねぇ?」
(ゆーゆーってユウのことか?)
「一夏!いるんなら返事してよ!」
慌てた様子で教室に駆け込んでくるユウ。いったい何事だろう。
「何だよユウ?またジョウさんが修行の旅に出たのか?」
「そんなにしょっちゅう旅には出てないよ!!」
本当に修行の旅に出たことあるんかい!とクラス中の心が一つになったがそれはさておき、ユウはかなり焦っているようで、額にはうっすら汗がにじみ出ている。
「いいからホラ、来てよ!一夏もいないと収拾がつかないんだよ!!」
「な、何だよそんなに焦って・・・」
「来れば分かる!!」
むんずと手を掴まれ、そのまま連行される一夏。「きゃー!結章くんってばだいたーん!!」とか「一夏×ユウかユウ×一夏か・・・それが問題よ!」という黄色い声が聞こえたがきっと気のせいである。いや、気のせいであってくれ。
〜2組教室〜
「 う が ぁ あ ぁ ぁ ぁ ぁ あ ぁ ぁ あ ! ! 」
「ぎゃぁぁぁ!!た、助け――ぐはぁ!!」
「綾部!?大丈夫か、傷は浅いぞぉ!!」
「いやぁぁぁ!誰か、誰か凰さんを止めてぇぇ!!」
「お、落ち着いて話を聞いて・・・わわっ!」
そこには妖怪・
津院帝琉
(
ついんてーる
)
が鬼のような形相で暴れていた。茶色の頭髪を振り乱しながらその小柄な体躯を大暴れさせている。その力たるや凄まじく、片手で机を投げ飛ばしたりついでに生徒を投げ飛ばしたりしていた。
あの天才ジョウさんさえ思うように近づけず、シャルロットさんに至ってはISを展開しながら説得を試みている。
果たしてあれは数年前に離れ離れになった親友とよく似ている、声もそっくりだ。恐ろしい偶然もあったものだ。
そう、これはただの偶然だろう。俺のセカンド幼馴染が妖怪な訳がないのだし。
畏れの廃れたこの時代に何故現世に妖怪がいるのやら、余り頭のよい方ではない自負がある一夏は神妙な顔つきでユウを見やる。
「なぁ、ユウ」
「何だ!」
「篠ノ之流は確かに歴史ある剣術だが、流石に妖怪を祓えるかは・・・こういうのは陰陽師に頼むべきだと思う」
「真面目な顔してマジボケ!?違うよ!説得のために連れてきたに決まってるでしょ!!」
「いやだって・・・言葉が通じるかもわからない妖怪相手じゃ俺も自信が・・・」
「 う゛うぅぅぅぅ・・・ 一 夏 ァ ・・・!!」
妖怪がこちらを見る。その瞳には悲しみと怒りに満ちているような気がする。心なしか自分の名を呼ばれたような気もするが、多分
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