クリスVS一子
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だもん眉間に皺もよるわよ」
言うと眉間を押さえ皺を戻す千李。
……さっきの顔はワン子が見たら確実に泣くだろうな。
千李を見ながらそんなことを思う百代であった。
そこで観客からまた歓声が上がった。
一子が薙刀を高速回転させ始めたのだ。確かにこれならば攻撃がどこから飛んでくるか分かりにくくクリスも手間取るだろうと普通は誰もが思うがそれに対しても千李は大きくため息をついた。
「どうせ山崩しでもして斜めに振りぬいて足を狙おうと思ってるんだろうけどそれは当たらないって言ったはずなんだけどね」
千李が言うと大和が千李に聞いた。
「それどういうこと千李姉さん?」
「一子の思考は決して間違いじゃないしいい判断なんだけどね、フェンシングには全身有効な種目もあってクリスはそれが専門なのよ。だからホラ――」
そこまで言うと千李は指をさす。
大和がその方向を向くと一子の肩にクリスの細剣が炸裂していた。
「〜〜〜っっっっ!!!」
どうやら一子は痛みと悔しさで呻いているようだった。
「――ああいうことになるわけよ」
千李はそんな状態の一子を心配する様子もなく冷静に言った。
そして鉄心の声がグラウンドに響いた。
「それまで!勝者クリス!!!」
鉄心の声に静まり返っていた観客達が息を吹き返したように歓声を上げた。
……でもがんばってたからお咎めはなしかしらね。
千李が思っていると百代が声をかけてきた。
「足りない頭使いすぎなんだよ。もっと本能で戦えって感じだよな姉さん?」
「まぁがんばったからいいんじゃない?」
その言葉に百代は「それもそうか」と微笑混じりに言った。
すると細剣で突かれた所を苦しそうにおさえる一子をみて岳人が声を漏らす。
「ありゃ鎖骨イったんじゃねーか?なぁ大和?」
「ああ。てか冷静に応対してる場合じゃない本当に大丈夫かワン子!?」
大和はあわてた様子で一子を見るが千李が冷静に言った。
「そんな柔な鍛え方はしてないわよ。少なくともアレぐらいで骨がイクんであれば一子にはもっと鍛えてもらわないと」
千李の指摘に大和たちが若干引いた。
まぁアレだけの突きをアレぐらいというのだから引くのは当たり前か。
一子のことは鉄心が診察しどうやら骨に異常はないそうだった。
すると一子が唐突に笑い始め言った。
「面白いわねクリス……本気でやろーじゃない!」
一子は装備していたリストバンドをはずし地面にほおったするとそれはズンッ、という音を立てて落下した。
その光景に観客がどよめいた。
「さぁ。第2Rと行きましょー……」
一子が
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