出会い
Trick07_それでよろしいのですか?
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電撃をくらわせて、男は今度こそ気絶した。
「白井さん大丈夫ですか!?」
「ええ、間一髪で避けられて痛っ!」
「黒子、どうしたの!?」
白井は足を抑えてうめいた。どうやら足をひねったようだ。
「これ・・くらい・・大丈夫ですわ!」
その顔は痛みで引きつっている。痛みで立てないのだろう、座ったままだった。
「すみません。私がもう少し早く気づいていれば」
直後、信乃が走ってきた。その顔にはいつもの笑顔はない。
「いいえ、信乃さんのせいでは・・あら、もう片付けたのですの?」
「はい。白井さんが危ないのを見て急いで終わらせました」
「・・今まで本気じゃなかったんですか?」
「本気でしたよ、たださっきまでは全力じゃなかっただけです。」
アンチスキルは全員例外なく地面へと倒れ込んでいた。
「それよりも足を見せてください。応急処置をします。」
治療をしようと膝を地面につけた信乃だが、
「それよりも逃げた男を追ってください! 私にかまっている暇はありませんわ!」
白井は大声をあげた。こんな時でも風紀委員の仕事を優先していた。
ほぼ全員が公園の出口を見た。逃げた男の車はもう見えない。
白井もこの怪我ではテレポートも無理だろう。
しかし、信乃だけは顔を出口を見ずに白井を見て
「いいえ、治療が先です!!」
と、強く言い張った。
強く言われて白井は何も言えなくなり黙り込んだ。
信乃はハンカチを取り出して、包帯のように長くするように破いた。
立ち上がろうとしていた姿勢の白井に肩を貸し、ベンチに座らせて靴下を取った。
「っ!」
「痛そうですね・・」
初春が片目を閉じて恐る恐る足首を見る。青く腫れあがっていた。
御坂たちも2人の周りにきた。
「白井さん、追跡しろといいましたが・・」
信乃が足首にハンカチを巻きながら言う。
「追う手段がありません。テレポーターの白井さんがこうなっては車には
追いつけませんよ。これぐらい簡単なことですよ。気付かないなんて
相当あせってますね」
さとすようにゆっくりと言ったが、それが白井の癇に障ったのだろう。
「あなたもテレポーターですわよね!? なら問題ありませんの!!
早く追ってください!! っ!」
能力を勘違いしたままの白井は怒鳴りつけて言う。
そのせいで足が動いてしまい、体に痛みが走った。
「落ち着いてください。怪我にひびきます。それに私はテレポーターでは
ありません。あなたが言うテレポーターというのは、
"A・T"(エア・トレック)という道具を使っただけの移動ですよ」
「なんですかそのA・Tというのは!
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