序章 出会い
第11話 2人の秘密
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
Trick Wanderlandに行ってから数日後。
私はギルドのテーブルでミラ手作りのチーズケーキを食べていた。だが、今日は大好物のチーズケーキがあまり食べたい気分ではなかった。
マ「エ〜ル〜ザ、ってどうしたのぉっ!?お皿のチーズケーキが全然減ってないじゃん!エルザ、熱でもあるの?すぐに医務室行かないと!」
スキップしながら話し掛けてきたマヤが必要以上に驚く。
エ「そんなに驚く事はない。それに熱も無い。今日はちょっと、食欲がないだけだ。はぁ・・・」
マ「ふ〜ん。」
いたずらっ子のようにマヤが私の顔を覗き込む。
エ「・・・何だ?私の顔に何か付いてるのか?」
マ「エルザ、もしかして、アテラ・・・いや、あの人の事考えてた?」
エ「!な、ななななななな何を根拠に・・そ、そんな、事////////////////」
マ「その慌てっぷりだと図星みたいだね☆かっわいい〜♪」
マヤが私の頬を軽くつつく。
マ「アテ・・・じゃなくて、あの人すごいイケメンだったもんね〜。エルザが惚れるのも分かるかも。あっ!美男美女のカップル成立かもっ!?」
ん?“カップル”・・・私はガタンと音を立てて椅子から立ち上がると、
エ「ちょ、ちょっと待てマヤ、私はまだ、アテラ・・・いや、アイツの事を“好き”とは一言も言ってないぞっ!」
だが、この発言が間違いだった事に気づいた時は、時すでに遅し。
マ「えっ!エルザ、ア・・・じゃなくて、あの人の事好きなのォッ!?皆ァ〜、エルザ」
エ「マヤ、それ以上言い触らすのならば・・・」
私は別空間から剣を取り出す。
マ「言う訳無いじゃ〜ん♪ほんの冗談だよ〜♪」
マヤはウィンクをする。マヤが言うと冗談に聞こえない気がするのは私だけか・・・?私はしばらくマヤの顔を見つめてから、剣を別空間に戻した。
マ「でも、アテ・・・じゃなくて、あの人の事が“好き”っていうのは、本当みたいだね。」
エ「///////////////」
自分でも分かった。
今、自分の顔は真っ赤だという事を―――――。
エ「そ、そういうマヤは・・ナツの事をどう思っているんだ?」
アイツの事から話を逸らす為に、私はずっと気にかけていたマヤとナツの関係を話題に持ち込んだ。
次の瞬間、マヤは顔が真っ赤になり、両耳から汽車のように煙を噴出していた。この様子だと、図星だな。
マ「エ、エルザ・・・この事は、2人だけの秘密にしよう!ぜぜぜぜ絶対だよっ!」
早口でそう言い残すと、マヤは風のような速さでギルドを飛び出して行った。
エ「2人だけ・・・か。」
その言葉が少し可笑しくて鼻で笑ってしまった。マヤ、お互い頑張ろうではないか。
*******
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ