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遊戯王GX 輪廻に囚われし赤
太陽龍 月影龍
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。落ち着かない、実に落ち着かない。せめてカードを触れれば気が紛れるのだが、メインデッキと予備デッキ以外のカードは『亜空間物質転送装置』を使って収納している為に取り出せない。早くツァンが来てくれないかな。

「あ、あの、ごめん、遅くなって」

そろそろ表面上に苛立が現れそうになった所でドレスで着飾ったツァンがやってくる。

「へぇ、よく似合ってるよ」

「そ、そうかな?初めて着るから何処か変じゃないかな」

「変な所なんて無いさ。綺麗だよ」

実際、オレのスーツ姿よりも似合っている。

「ありがとう。遊矢も、その、かっこいいわよ」

「そうか?正装なんて殆どしないからな。落ち着かないんだが」

やはりオレは赤い帽子とジャケットが一番似合っている。基本サテライトで暮らしているしな。こういう場所は落ち着かない。

「とりあえず会場に入ろう」

「そうね」

ツァンを引き連れて会場に入場する。会場には数多くの資産家やプロデュエリスト達が談笑している。

「よく来てくれました遊矢」

オレ達に気付いたペガサス会長が早速出迎えてくれた。

「ペガサス会長、本日は招待して戴きありがとうございます。こちらは学友のツァン・ディレです」

「ツ、ツァン・ディレです。本日は招待して戴きありがとうございます」

「オゥ、貴方がツァン・ディレさんですか。知っていると思いますが私はペガサス・J・クロフォードでス。貴方のことは遊戯ボーイ達に聞いていマース。これからも頑張って下さーい」

「ありがとうございます」

「今日は楽しんでいって下さーい」

それだけを告げると挨拶回りがあるのか他の招待客の所に行ってしまう。

「さてパーティーを楽しむか。レッド寮じゃあ豪華な飯にありつけなかったからな」

「……よくこの状況で食べ物に目がいくわね」

視線が集中している位で食事が出来なくなるなんて繊細な精神だとサテライトで生き残れないからな。

「気にするな。視線で人は殺せないからな。どうせもう会う事も無い連中なんだ。あっ、このローストビーフ旨い」

視線を無視して食事を続けているとツァンも諦めたのか食事を始める。しばらく食事を楽しんでいると番号札が配られてきた。詳細を聞くと決闘でクリスマスプレゼントが決まるらしい。

「ツァン、デッキは持ってるか?」

「これでも決闘者だもん。当たり前でしょう。まあ、デュエルディスクはさすがにカバンの中だけど」

「ディスクは貸し出してくれるみたいだから問題無いな」

「そうね。それにしてもプロと決闘出来るなんて」

「この前は決闘王と海馬社長と決闘出来たのに今更プロ程度でビビる必要は無い」

「そうだけど、油断は出来ないでしょう」


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