太陽龍 月影龍
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『本当にそれだけかしら?』
「何がだ?」
『気に入ってるんでしょ。決闘者としても異性としても』
「前者はそうだが、後者はどうだろうな?」
『隠そうとしても無駄よ。私には分かるわ。どれだけ貴方と一緒にいると思ってるのよ』
「そうだな。今ではすっかりおばあちゃんだもんな」
『殺すわよ』
サイ・ガールが手に持つ杖をぐりぐりと押し付けてくる。怒りながらもサイ・ガールも納得している。身体はともかく精神は既に年寄りだということに。
「それにしても良い天気だ。波も穏やかで楽に戻れそうだな」
『いざとなったら精霊界を経由すれば問題無いじゃない』
「そうだけどな。たまに突っかかってくる奴らがいるからさ。ライディングデュエルならともかくマリニーに乗りながらスタンディングデュエルって違和感がありすぎてデッキを間違えたりするからな」
『ああ、たまにピンチになってたと思ったらそんなことがあったのね』
「Spカウンターが無いからSpスペルは使えないからデッキの2割強が使用不能とか悪夢でしかないぞ」
『5枚に1枚が手札で腐るのはちょっと辛いわね』
そんな過去話をしながら走り続け、ようやく目的地の一軒家に辿り着いた。住所と表札を確認して間違いが無いことを確かめる。間違いは無いのでインターフォンを押す。しばらく待っていると、家の中から旅行用のバッグを持ったツァンが出てきた。
「ごめん、待たせたかしら」
「いや、問題無いさ。こっちの方こそ無理を言ってすまない」
「まあ、ペガサス会長の招待じゃあ断れないわよ」
「すまん。お詫びと言ってはなんだが、I2社のクリスマスパーティーが終わった後は珍しい場所に連れて行ってやるさ。中々行く機会が無い場所だし、楽しめるはずだから」
「冬休みに入る前にも言っていたけど、一体何処なのよ?一応、言われていた物は用意しておいたけど」
「デュエリストなら絶対に楽しめる場所とだけ言っておこう。行ってみてのお楽しみって奴だ」
ツァンの荷物を括り付けながらヘルメットを渡す。準備ができた所でマリニーに乗り、後ろにツァンが乗る。
「サイドカーがあれば良かったんだが」
「……別に良いわよ」
「ああ、それじゃあしっかり掴まっていろよ」
此所に来るまでとは違い、安全運転でパーティーが行なわれるホテルまで向かう。ホテルに到着して招待状を見せるとオレとツァンは別々の部屋に案内され、正装をさせられた。それほど堅苦しいパーティーではないとは言え、お偉いさん方が集っているから必要なことだと割り切って用意されていた白いスーツに袖を通す。着替えを終えてから会場の前でツァンが来るのを待つ。お気に入りの帽子が無いせいで若干そわそわしそうになる身体を抑える
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