第20話「ペニス測定について」
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看護婦を使うという説明も、本来なら事実なのだろう。性器にも病気は存在するし、色んな患者のケースもあるのだろう。触れなくては話にならない状況自体はあるのかもしれない。だが、それこそを盾に看護婦に手を使わせ、ヌいてもらう。汚い欲望を叶えるための仕組みが実は存在するのではと、疑わざるを得なかった。
「いいか? もう一度言うが、それでもレイプまでしようってわけじゃない。あくまで検査を担当してもらえれば問題ないんだ」
担任は強く念を押すように、麗華を説得にかかってくる。
「……あなた達は最低な人間です」
麗華は低くそう返し、目を背けた。
「ええ、最低ですよ? こうして裏で毎年何人かは搾取していますが、表では何十人何百人と救っています。仮にあなたにワタシを排除できる力があったとして、さてワタシを排除することはどこまで合理的でしょうか。一人殺して百人救えるとしたら、合理的には正しいでしょう? もちろん、感情論は抜きにした話になりますがね」
厚顔無恥な医師は悠々と語り聞かせ、それに麗華は冷たく返す。
「要するに、こんなやり方でしかハメを外せないってことですね?」
医師はニヤリと笑った。
「やはり頭の回転が早いですねぇ? 麗華さんは。そうです。時には悪ふざけでもしないと、仕事なんてやっていられないという事です。ワタシは色んな患者の相手、先生は教師として生徒や保護者の相手――疲れます。色んな人間の相手をするという事は、それだけおかしな人間の相手もする羽目になりますからねぇ、全く苦労していますよ」
そして、さらにこう語る。
「そこでです。人間相手という苦労の中、壊れてしまう人達はたくさんいます。うつ病とか聞いたことあるでしょう? ストレス障害というものもあります。真面目すぎて、ハメを外すことなんてしない人間ほど溜め込んで壊れてしまうのです。さて、ワタシだって仮にも百人救える人材の一人なのですが、それが壊れても構わないとお思いですか?」
「…………」
麗華は答えない。ただ、睨み返す。
言いたいことは理解できた。次に続ける言葉も予想ができる。休憩を与える役目を果たしてはいかがか、といった説明をしてくるのだろう。
「あなたの役目はワタシが壊れないようにすることです。ここにいる教師の方だって、大変苦労されていますからね。誰かが癒してあげる必要があるんですよ。休憩を与える役目だと考えるのはどうでしょうか?」
想像通りの論理展開には笑いたくなった。
「拒否権は?」
「ありません」
即答だ。
そもそも違約金が発生する以上、拒絶する方がリスクが高い。汚い大人の手によって、そういう状況に落とされたというわけだ。
「だったら、私もハッキリ言います。やるのは検査に必要なことだけです。そこまでが私達の約束なんですよね? それ以上の行為に走
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