第16話「オナニーインタビュー」
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答えるたびにシャープペンシルが紙を引っ掻く音がそこら中から耳をくすぐり、自分の答えが大勢にメモに残されているのが感じ取れる。身体のデータに留まらなず、プライベートさえもが計測され、資料のように収集されているかのようだ。
「どのようにオナニーなさいますか?」
「どのように、って……」
「例えば何か道具は使いますか?」
「いえ、道具は別に……」
「では基本的に手でオナニーしているということですね。いつ頃から、どのような触り方をしているのか。パンツの上からか、それとも直にしているのか。あなたのオナニーについて始まりから丁寧に語ってください」
そして、麗華はマイクを握らされた。
学校でも来客が呼ばれ、生徒達の前で自分の体験談を語り聞かせるような授業内容が行われたことがある。小学生の頃は老人の戦争体験、中学では震災の体験談を聞かされ、それについての感想文を提出するような授業だった。
今回は麗華自身が語り聞かせる側に回り、医学生数百人の前で自分のオナニーについてを喋るのだ。全裸で体中を見られながら、性生活についてを赤裸々に語らなくてはならない。あまりに恥ずかしい状況である。
「私はその……。初めてしたのは小六で、十一歳の時でした。その頃には一応性行為の知識もあって、好きな人とかはいなかったんですが……。それでも少し興味があって、触ったらどうなるんだろう、っていう好奇心がきっかけだったと思います。それでその……」
「ふむ、十一歳の頃からエッチなことへの好奇心があったということですね」
講師はわざわざ恥ずかしい言葉に置き変えてくる。
「ええ、まあ」
「それ以前からは興味はなかったんですか? 十一歳になった途端にいきなりエッチな子になるわけじゃないでしょう?」
「それは……。知識はあっても自分はまだ小学生だから、昔はなんていうか、『ふーん?』といった具合で自分は関係ないような顔をしていました。だけど、無意識のうちに興味はあったのかもしれません。おそらくなんですが、性に対する好奇心は成長期が近づくにつれてほんの少しずつ膨らんでて、それで……小六のいつ頃だったかまでは覚えていませんが、そのくらいの時から触ってみたいような、しかし、やっぱりはしたないのでやめておこうか、などと葛藤が生まれ初め、最終的には……」
麗華は自分の過去を思い出す。
今でもそうだが、当時は性に対する漠然とした罪悪感を抱いていて、エッチなことは何となく悪い事のように思っていた。だからこそ、興味を持つ自分は悪い子なのだろうかと悩みながらも、膨れ上がる好奇心を前に十一歳当時の麗華は一つの言い訳を見つけてオナニーをした。
――アソコが何だかムズ痒い。
あくまで痒いから触るのであって、決していやらしい目的などではない。そう自分に言い聞かせながら、当時の麗華はパジャマの
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