第15話「おびただしい医学生の手」
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恥毛の草原をつたって腹へ向かって愛液は流れてくる。
麗華の眼差しは快感を欲しがるメスのものへと変わっていき、しかしそれでも、そんな自分を呪ってとろけた表情を押さえ込み、目つきだけは凛々しくしようと務めている。
(感じちゃいけない! 感じちゃ……)
必死の思いで快楽を堪える。
「ほほう、綺麗だな」
余計な一言をかけながら、何十人目にも当たる男が恥丘を撫であげ、中身を見る。クリトリスを指の腹でツンツンつつき、それが麗華を喘がせた。
「あ! あぁっ! くぅ……」
喘いではならないと、麗華は歯を噛み合わせて声を殺す。手で口を押さえ、喘ぎ声を完全に封じ込む。
だが、身体的反応だけはどうにもできず、快楽がほとばしるたびに、麗華の尻はわずかに左右に震えていた。腰がくねって、膣口が収縮していた。
「こういう色合いなのか。なるほど、病気の場合は……」
ぶつくさと唱えながら覗き込み、肉ヒダの桃色に沿った色彩を観察される。
「しこりもなく健康的な場合の乳房がこれで、確か乳がんの場合は……」
頭の中で患者を想定しながら、じっくりと乳房を指で確かめてくる。乳首の色から固さまでもを確認された。
「健康な肛門がこれとしたら、ふむ」
医学生として、頭の中で症状にかかった場合の肛門と目の前の麗華の肛門を比較している。皺にそって指をなぞらせ、感触さえも覚えられた。
「時間が押してるんだが」
「わかってる。あと十秒」
さも真剣に麗華の肢体を観察し、手探りで感触を確かめ『健康な場合』を手に記憶させていく作業は延々と続いた。
何人も、何十人も、何百人もの手が麗華の肢体を撫で回していった。
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