第12話「キャンパスを歩く」
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ルペンを地面に落としたのだ。
「麗華、拾って上げなさい」
担任が圧力をかけてくる。
もし、この足元に転がったボールペンを拾えばどうなるか。拾うためには腰を折り曲げ地面に手を伸ばさなければならないわけで、つまり衆人環視に対して生尻を見せてあげるのと変わらない。
そんなことを、二人は麗華に強要しようというのだ。
当然しぶり、麗華は顔を背ける。
「いいんですか? 指示に対する違反行為はあなたの特にはなりませんよ?」
「くっ……」
いつか殺す。
殺意を胸に歯を噛み締め、必死に涙を堪えながら、麗華は腰を折り曲げていった。
「おおおお!」
「ケツ丸見え!」
周囲から歓声があがり、野次馬の輪が麗華へ距離を縮めてくる。少しでも近くで見よう見ようとしてくる男達は、肩で互いを押しのけ合って覗きやすいポジションを奪い合っていた。
ボールペンに手が触れる。
そこまでくれば、もう肛門と性器の二つの穴が丸見えだ。目という目の数々が二つの穴へ集中し、肛門のシワから秘裂までもをじっくり舐めまわす。
「おいおい、濡れてるじゃん」
「撮っとけ撮っとけ!」
興奮する男達の声。
そして――
パシャ、パシャ、パシャ、パシャ、パシャ、パシャ、パシャ、パシャ――
無限に続くかにさえ思えるシャッター音の連打。
麗華はなるべく素早く、高速で拾ってみせ、下腹部を視線に晒す時間を一秒でもいいから縮めていた。
この一連の流れも、ほんの一瞬に過ぎないのだ。
だが、しかし。
拾ったボールペンを手渡そうとしたときだ。
「おや、すみません。また落としてしまいました」
「この――!」
麗華は再び、地面のボールペンを拾わされることになる。
「ちゃんとゆっくり、丁寧に拾ってあげないと駄目だぞ?」
担任の言葉はつまり、みんなに恥ずかしい部分を見せなさい、という意味だ。
――絶対殺す……!
屈辱を噛み締めて腰を折り曲げ、麗華は自分の後ろを囲む野次馬の輪にお尻を見せる。姿勢のせいで開ききった肛門と、愛液を漏らす女性器がじっくりと目で愛撫され、再びシャッターの連打音に晒される。
「おおおっ、ヒクヒクいってる」
「エロい汁が足まで垂れてるぜ」
「最高のケツだな」
口々に感想を述べてくる。
――くそ、見るな……!
そう叫びたくもなってくる。
だが、強制的にとはいえ、見せているのは麗華自身なのだ。
写真には性器も肛門を写されて、動画撮影にいそしむ者もいた。中には仲間達と連携を取って役目を分担し、接写と遠方撮影に別れている者までいる。遠くから撮影する男は、恥部というより女の子があられもない格好で歩いて野次馬に囲まれる、この一連の出来事そのものを記録していた。
「さあ、ペンをこちらへ」
それが、やっとの
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