第3話「そして羞恥の発育検査へ」
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いてしまう。
「検査項目は色々ありますから、最初から脱いでもらた方が早いのです」
「けど、あの身長計とか体重計なんかは、どう考えても裸の必要はありません。先に脱がなくてもできる検査をやってもらえませんか?」
全ての検査を全裸でなど、たまったものではない。
麗華はとにかく、どうせ検査をされるならマシな方向へ、と考えていた。医師が相手とはいえ、この場には担任が立ち会っている。裸の時間は一秒でも長く減らしたい。
「麗華、きちんと言う事を聞きなさい」
担任が注意してくる。
「必要になったらちゃんと脱ぎますから、少しは配慮を下さい」
この主張はしごく当然のものだが、今はそれが聞き入れてもらえない。担任はむしろ麗華が我がままだと言わんばかりに全身から圧力を発し、麗華を従わせようとしていた。
「麗華さんは担任との交渉の際に動画をご覧になっていますでしょう?」
「うっ……」
人質でも取られたかのように、麗華はぐぬぬと歯軋りする。
「ただ検査を受けてもらえればいいのです。ただし全裸で、ですがね。指示通りにして下されば不要になった動画の削除も考えますが、どうでしょう?」
そういわれても、動画はいくらでもコピーできる。担任も実際にコピーを取ってあると発言していた。
複製まで含めて、全て削除し尽してくれるのだろうか。
仮にパソコンを目の前に持ってきて、麗華の見ている前で削除をしてくれたとしても、信用はできない。本当に約束を守ってもらえる保証はない。だいたい、知識さえあればハードディスクのデータは復元可能ではないか。
それらの考えが麗華を取り巻き、判断を迷わせる。
「どうするんだ? 麗華」
担任の圧力が麗華を追い詰める。
「……わかりました。脱げば、いいんですよね」
結局、動画をばら撒かれたら……という恐怖が奥底にあるせいで、麗華は脱衣を了承してしまう。圧倒的に不利な立場では、これ以上食ってかかっては動画をダシにどんな命令をされるかもわからない。
諦めるしか道がないことを悟り、セーラー服のリボンに手をかける。ゆっくりとほどきかけるが、麗華の手はすぐに止まった。
「どうしました? 脱がないのですか? 麗華さん」
医師はにやける。
「衝立はありませんか?」
「ありませんよ」
普通は用意するはずなのに、あえて撤去したのではと麗華は疑う。
「向こうを向いてもらえませんか? せめて脱ぐところまでは見せたくありません」
「駄目です。今すぐ脱いで下さい」
医師はあくまで譲らない。
担任も一歩足を踏み出すことで、無言の圧力をかけてくる。
少しでもマシな方向へ持っていこうという目論みは、思うようには通用しない。
「シーツか毛布はありませんか? 服は脱ぎますから、少しは隠させて下さい」
「麗華、いい加減に
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