暁 〜小説投稿サイト〜
中学剣道少女〜恥ずかしい穴まで身体検査〜
第2話「世にも屈辱的なドーピング検査」
[1/7]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 大会当日を向かえた。
 麗華は部員達と共にバスへ乗り込み、顧問の隣で静かに瞑想する。それぞれの部員は竹刀をしまうための刀袋を持ってきており、抱くようにして抱えている。
 麗華も体操着のシャツに短パン姿をして、肩にかかるようにして刀袋を抱いていた。すぐに剣道着へ着替えるため、選手はあらかじめ体操着かまたはジャージを着てきている。
 今日の相手は以前も勝ったことのある学校だが、だからこそ向こうも対策を講じているだろう。一体、どのように自分達を対策してくるだろうか。
 目を瞑り、麗華は思考に集中する。
「麗華」
 顧問の声がそれを遮った。
「何でしょう」
「今回の大会、お前はドーピング検査の対象にされている」
「ドーピング? どういうことですか」
 麗華はキリっと目を細めた。
 ドーピングなど、全く縁のない話だ。そんなことなどしなくとも鍛錬を積めば済む話だというのに、そもそも中学生がどこでドーピング剤など手に入れれば良いのか。
「麗華、お前は強すぎた。誰かが言いがかりをつけ、クレームを受けた運営側は対応せざるを得なくなった」
「納得のいかない話ですね」
「ま、これもお前の強さの証拠だ」
 顧問はそのまま腕を組み、眠るかのように瞼を閉じた。ただ瞑っているだけなのか、それとも眠りでもしているのか。見た目には判別がつかない。
「わかりました。ならば潔白を証明した上で勝つまでです」
 バスが到着し、麗華らは順々に降り立つ。
 ドーム型の会場入り口へ向かって受付を通り、麗華達は選手が控えるための控え室へ向かった。着替えをしまうためのロッカーが並び、その中央には長椅子が用意されている。麗華はそのロッカーの一つに荷物をしまい、もう一度受付へ向かった。
「黒崎麗華です。私が検査対象になっていると聞きましたが」
「はい。少々お待ち下さい」
 受付嬢は営業スマイルで対応し、内線電話を通じて関係者と連絡を取り始めた。しばらくすると、「ただいま担当者の方がやって来ますので」と告げられた。
 そして、現れたのは……。
「あなたは――」
 その見覚えのある顔に麗華は目を丸めた。
「数日ぶりになりますね。黒崎麗華さん」
 その男は、麗華に身体検査のお願いを申し付けてきたあの医者であった。病院でもないのに白衣を着ているので、この受付広場の中では少々浮いている。だが、本人にそれを気にしている様子はなかった。
「あなたがドーピング検査を?」
「その通りです。方法はご存知ですか?」
 医者はいやらしい笑みを浮かべる。
 腹の底で何かよからぬことでも企んでいる予感がして、自然と警戒心が湧いてくる。この男は危険だと、麗華は本能的に感じ取っていた。
「いいえ」
「ドーピング検査というのは、要するに尿検査です。尿を調べることによって、薬物などの
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ