第2話「世にも屈辱的なドーピング検査」
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た挙句、この尿の出る瞬間こそを記録に残されるのだ。カケラ程度の安心の気持ちなどないも同じで、麗華が感じているのは結局のところ屈辱と悔しさばかりである。
綺麗な乙女の貝殻の隙間から、黄色い聖水が放たれる。
ジョォオー……。
地味な水音が響く中、カメラ画面には尿を打ち出しているアソコが鮮明に映されている。しばしその様子を撮影し、担当者はズームアウトで全身を映す。股に尿ビンをあてがわれ、あまつさえ放尿している少女の有様を記録に残した。
素晴らしい瞬間である。
無言になりきった麗華の表情をズームすると、その顔を逸らし気味にして頬を染めているところから、いかに恥ずかしがっているのかが見て取れる。
それらを意識して撮られていることに気づき、麗華はさらに顔を逸らした。
「顔まで撮らなくてもいいのでは」
ジョロジョロ音を立てながらも、麗華は言う。
担当者の言い分はこうだった。
「本人の尿であることを証明するために記録を取ってるんです。一度も顔を映さないってわけにはいかないんですよ」
「くっ…………」
理不尽なことだが、そう言われれば黙るしかなかった。
放尿の威力が弱まり、やがて全てが出し切られる。その頃には尿ビンにはたっぷりと黄色い液体が溜まっていて、容器全体が生温かくなっていた。
しかし、医者は麗華に安心を与えるまもなく言ってくる。
「終了の指示が出るまで、勝手に動かないで下さいね」
前もって釘をさされ、もうパンツを履きなおすつもりでいた麗華は固まった。
「では拭き取ります」
医者はトイレットペーパーを切り取り四角に畳む。
「そんなことまで……! せめて自分で拭かせてください!」
「駄目です。検査はきちんとしなくてはいけません」
麗華の意思が尊重されることはない。
どう考えても自分でやれば済むはずの行為なのに、医者は恥丘に残った水分を拭き取り始めた。あてがわれた紙で大事な部分を摩擦され、まるで幼児と同レベルの扱いでも受けているようで、麗華はひたすら唇を噛み締める。
「それでは、パンツを履きなおしましょう」
履き直す行為さえも医者の手によって行われ、膝に下げられたパンツをずり上げられた。ようやく下腹部を隠せる安心よりも、他人の手で着替えをさせられている屈辱が大きく、それでも逆らうわけにはいかず、できることといったら医者や担当者を睨んでやる程度だった。
短パンを履き直させられ、やっとのことで検査が終了する。
やはり終わりへの安堵などより、屈辱の時間を過ごす羽目になった悔しさが大きい。脱ぐのも履くのも他人の手で、しかもアソコまで拭かれた。こんな想像しがたい行為を撮影されるなど、麗華は今の自分をどこか別の他人と思い込みたくて仕方がない。
「さあ、わざわざ検査をしてくれた医師の方にお礼を言いな
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