DM
ダンサー杏子の枕商売
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――ダンサーになる夢が叶ったはいいんだけど……。
――何よ『おっぱい揉み券』って!
握手券くらいなら聞いたことはあるが、真崎杏子のダンスが収録されたDVDにはおっぱい揉み券がついている。
さすがに何百万人にも揉ませることはできないから、抽選性にはなっているけど。
杏子は個室の中、一人十分という決まりでおっぱいを揉みに来るファン達に胸を曝け出していた。ボタン付きの前を開け、たわわな乳房を不特定多数の男に差し出す。たまに決まりを破って十分以上揉もうとしたり、ズボンのチャックを下ろそうとする輩が出てくるが、そういう時は引き剥がし役の職員が退室させてくれる。
安全のことは考えられているみたいだけど……そういう問題じゃない! 他人におっぱいを見せたり揉ませたりするだけで、冗談じゃない。
しかし、杏子はこの企画を断れなかった。
新人だからだ。
「あのねぇ、今まで売れてきたのは誰のおかげだと思ってるの? 君はダンスの上手さだけで売れっ子になったわけじゃないんだよ?」
デビューして事務所入りできたのは実力だとしても、売れっ子になれたのはプロデューサーのおかげにすぎない。新人でしかない杏子には持ち寄られた仕事を断れるような立場はなく、売れっ子にしてもらえた恩を盾にされたら、こんな企画でも受け入れざるを得ない。
そうしたわけで、杏子はファンに乳を揉まれ尽くしていた。
十分経てばファンはお礼を言いながら退室し、また次のファンが入ってくる。あと何人いるかもわからないファンを相手に、杏子は笑顔を作り続けた。仮にもお客様を相手にしているようなものだから、不快感や屈辱感を表情に出すなんてご法度だ。
「ヒャーヒッヒー! 君がこんな枕商売をしているとはね。杏子ちゃん」
「は、羽蛾!?」
急に知り合いが現れた時は、反射的に胸を隠した。
「おいおい、俺だってDVDを購入した立派なファンなんだぜ? ちゃんと揉ませろよ」
「くっ……わかったわよ」
羽蛾にすら胸を拝まれ、揉みしだかれる羽目となった。乳首を摘まれ、たっぷりと指を踊らせ堪能される。
「こんないい胸を揉めるなんて、俺は最高に幸せだよ。ところで、遊戯はこのことを知っているのかい?」
「アンタには関係ないでしょ?」
「おいおい、俺だってお客様だぜ? ちゃんと笑顔で接客しろよ」
「うぅっ……」
羽蛾なんかを相手にするくらいなら、名前も知らない男達の方がよっぽどマシだった。
「今度はダンス映像に得点をつけよう。水着できわどいポーズを取るんだ」
「そ、そんなぁ……」
もちろん断る権利はない。
なにせ、新人が腕利きプロデューサーの企画を蹴るということは、今後の未来に関わることを意味している。
カメラスタッフや照明に囲まれた中、四つん這いでお尻を強調したり、M
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