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とある偽善者の日常
第一話 謎のウニ頭
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「か……、上条さんの命を繋ぐ一筋の希望が……」

嘆き悲しむ上条の目の前には、無惨にも「人に美味しく食べて貰う」という役目を果たせなかった、お一人様二パックまでの特売卵。

因みに、「上条さんの命を繋ぐ」というのは実際にこれがないと今週で餓死、という切実な問題でもあるが、もっと危ないのは食材を持ち帰らないと家にいる「白い悪魔」が、上条の頭を美味しく頂いてしまうであろうことだった。

上条は、餓えて干からびるか、頭の欠損した愉快な死体(オブジェ)になるかの瀬戸際に自分を追いやった四人組に視線を向けた。

そのなかで一番大人な女性(恐らく二十代後半)と目があった。

「……お気にの(ヒール)が卵まみれじゃない。……死んどけ」

その一言と共に青白い光線が上条の顔の横を通過する。上条はその事にビビりながらも、先程からおかしいと思っていたことを口にした。

「いやいやいやいやッ!……明らかに悪いのそっちでしょ!?」

そうなのだ。上条はただ歩いていただけで、狭い道に入ってきた怪しい黒塗りのバンが歩道に半ば乗り上げる形で止まり、急に開いた車のドアに激突。今に至る。

そして上条は禁句を言ってしまった。

「アラサーの大人が逆ギレしてんじゃねぇ!しっかり謝れっ!!」

「……わ……は…だ…………さ…だ……」

「……ん?」

「私はまだ十七才だッてンだよオオオォオォォォオ!!」

「バカッ!死ぬ死ぬッ!!……お前はゴジラかッ!?」

さっきのとは比べ物にならないほどの熱量を放ちながら、光線が上条に迫る。











「あのウニ頭、超死にましたね」

「結局、麦野に勝てる奴なんてそうそういない訳よ」

「ぐーすかぴー」

その場にいる誰もがそう思った。

しかし、そうはならなかった。無数に迫る莫大な熱量と破壊力を誇るそれは、パキンという不可思議な音と共に一つも残らず、「少年の右手」によって打ち砕かれた。

「なっ!?」

驚いている暇はなかった。少年にあの覇気の無さは消え、凄まじい威圧感をもってしてその眼で麦野を射抜いていたからだ。

「そうかそうか。どっかで聞いたことあるなと思ったよ」

麦野に向けていた視線を後ろの三人の少女に向け、上条は言った。

「お前ら暗部の「アイテム」だろ。……あぁ、アレイスターに聞いとけばよかった」

アイテムの面々は自分達の素性が簡単にバレたことにも驚いたが、さらに驚愕したのはこの少年の口から、アレイスターなどという超VIPの、それも機密の情報が出てきたことだ。

「テメェ、何者だ?」

「まずは自分達から名乗りません?普通……」

まぁいいか、と諦める上条。

「俺は上条当麻。無能力者(レ
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