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八条学園怪異譚
第三十一話 マウンドのピッチャーその九
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「あそこにも妖怪さんいるらしいですし」
「そういえばあそこにもいたな」
 日下部もその図書館について知っていた。
「本にも人の情念が宿るからな」
「じゃあ幽霊さんですか?図書館にいるのは」
「情念っていいますと」
「あそこにいるのはな」
 まさにそれだというのだ、幽霊だと。
「とにかくその時に会えばいい、他には学園の美術館もだ」
「あそこもですか」
「美術館もですか」
「あそこの絵は動きだ」
 そしてだというのだ。
「外に出たりする」
「じゃあ美術館にもですね」
「行くといいんですね」
「まだまだあるな、この学園には」
 怪談話に泉の候補地がだというのだ。
「全て回ればやがては見つかる」
「ですね、最後には絶対」
「何時か見つかりますね」
「あるとわかっているなら回っていけばな」
 それでだというのだ。
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