TURN74 合流する者達その三
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「貴女は確か軟禁されているのですよね」
「ええ、そうだけれど貴女は?」
「ドクツ第三帝国中将エルミー=デーニッツです」
ドクツの敬礼でムッチリーニに答える。ここでは軍人らしく真面目な顔になる。
「ムッチリーニ=ベニス統領、お救いに参りました」
「お救いって。私を?」
「はい、そうです」
おっとりとした感じのムッチリーニにきびきびと返す。
「来て頂けますか」
「ちょっと待ってね、ユーリちゃんと祖国ちゃん達も呼ぶから」
「いえ、ここでのお話はエイリス軍に見られる恐れがありますので」
そもそも正門のところで立ち話を、軟禁されている相手と話すこと自体が有り得ない、だからこう言うエルミーだった。
「別邸の中に入りましょう」
「そうなの。それじゃあね」
「はい、それでは」
こうして一行は一旦別邸の中に入り軍服ではなく私服のユーリやイタリア達とテーブルに座って話をはじめた。その席でエルミーはまた言った。
「しかし。ここまで誰にも見付からず来られるとは」
「ああ、そのことだね」
イタリアが明るく唖然としているエルミーに話す。
「だってこの星に今はエイリス軍がいないからね」
「いないのですか」
「うん、一人もいないよ」
左手の人差し指を顔の横に立たせてエルミーに笑顔で話す。
「ドクツの方に行ったからね」
「占領した国の首都に兵を一人も置かないのは」
「我々が反乱なぞ起こさないことを確信しているのだ」
ユーリがこう話す。
「それでだ」
「そうだったのですか」
「確かにそうだ、実際に私達もここに軟禁されているだけだ」
「皆幸せに過ごしてるよ」
イタリアがまた言う、能天気な顔で。
「いや、ここはいいところだよね」
「我々は敗れた、もう国民が立つことはない」
ユリウスは諦めた感じで一行に言った。
「抗戦を主張する者はスイスに入りそこから君達日本帝国に亡命している様だがな」
「それでもですか」
「イタリンという国自体はもう何もしない」
そうだというのだ。
「全くな」
「そうですか、では実はですが」
「ムッチリーニ統領達に我が国への亡命を勧めたい」
東郷が話を切り出した。
「そうしたいのだがどうだろうか」
「日本に、ですか」
「ムッチリーニ統領さえよければ」
こう前置きしての言葉だ。
「如何でしょうか」
「けれど私はもう統領じゃないから」
辞任しそして今ここで軟禁されている立場だ。
「それでもいいのかしら」
「貴女さえよければ」
東郷は言う。
「日本帝国は喜んでお迎えします」
「イタリンにいれば」
「ここでずっと軟禁だよ」
「死ぬまでね」
イタリア妹とロマーノ妹がムッチリーニに言う。
「それでいいっていうんなら別だけれど」
「どうするんだい
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