TURN74 合流する者達その二
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「今は難しいか」
「時間かきっかけね」
「そのどちらかがあの人を復活させてくれるか」
「そうだと思うけれど」
グレシアは解決案が浮かばないという顔だった。
「どうかしらね」
「そうなのか」
「まあとにかく今は統領さんにイタちゃんを救い出しましょう」
グレシアはこちらに話を移した、今はレーティアのことを話してもどうにもならないと考えてそうしたのである。
「そのことはあれよね」
「司令とエルミーさんが作戦を練られています」
日本がグレシアに答える。
「そしてその計画に拠ってムッチリーニ統領とイタリア君達を救出しましょう」
「そういうことだね。それじゃあね」
「はい、それでは」
日本もその手に刀を出す、突入準備も出来ていた。
一行はローマに密かに降り立つまで敵に全く見付からなかった、そしてそれはムッチリーニの別邸に入るまでもだった。
のどかでさえある草の緑と岩の白、それに青い空が上にある別邸まで一行は誰に見つかることなく辿り着けた、質素だが見事な外観の別邸を前にしてドイツが呆れながら言う。
「ここまで一瞬だったな」
「また簡単に辿り着けましたね」
エルミーも驚きを隠せない顔だった。
「エイリス軍の将兵が一人もいませんが」
「つまりあれね」
グレシアもいる、留守番はレーティアの世話役も兼ねてファルケーゼの副長が務めている。
「エイリス軍はイタリンはどうでもいいって考えてるのよ」
「幾ら何でも油断し過ぎでは?」
日本も驚きを隠せない顔になっている、ここまで簡単に来られたことに。
「仮にも戦っていた相手だというのに」
「見張りが寝る国だからね」
グレシアは笑ってこう日本に返した。
「これもね」
「充分あることですか」
「ポルコ族は平和な種族だしね」
そもそも戦いに向いていない。
「ちょっと怒ったら泣いて謝る人達だから」
「エイリス軍も警戒はせずにですか」
「統領さんもなのよ。統領でなければ影響を及ぼさないから」
ムッチリーニ自身無邪気で害の人物である。善人と言っていい。
「ここに軟禁するかいなくなればね」
「それでいいのですか」
「エイリスはそう考えてるわね」
「いなくなればというのは」
「つまりイタリンから何処かに亡命してくれてもいいのよ」
エイリスはイタリン、そしてムッチリーニについてここまで軽く考えているのだ。
「戦ってもちょっと攻撃すれば逃げる相手だしね」
「やれやれだな」
ドイツはグレシアの今の話に目を閉じて深厚な顔を見せる。
「全く、どういう国だ」
「それがいいんじゃねえか。イタちゃん達のいいところだよ」
相棒とは正反対にプロイセンは笑っている、やはりプロイセンはイタリンが好きだ。
「御前はどうしてそうあの子達のよさを素直に認め
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