第4話 新たな日常の現状
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「グレート=ブリッジ奪回作戦」という魔法世界の歴史に残る激戦で、かの集団は最前線に引っ張り出される。事前の決め事は完璧に反故にされた。
作戦中盤、序盤から押し込まれていたヘラス帝国は、隠し玉ともいえる最終戦力鬼神兵らを投入し戦線は大きく帝国側に傾く。そしてそれをひっくり返すため、連合側は最強戦力たる「紅き翼」を投入し、その名に違わぬ破壊力で、広域殲滅魔法らにより戦線をひっくり返す。
連合の「英雄」の誕生である。
が、その広域殲滅魔法により、日本から送り出された300人の集団は壊滅する。味方であるはずの「英雄」によって。
これはわずかに生き残った数人が謀殺を恐れ、連合上層部から隠れながらなんとか日本へ帰り、報告した「事実」である。
そしてそれ以前から、ただ「グレート=ブリッジ奪回作戦で全滅した」と謝罪も賠償もない報告のみで終わっていたメガロメセンブリア連合ひいては関東魔法協会と、関西呪術協会の関係に完全な溝ができる。
そして魔法世界を救った「英雄(笑)」青山詠春の帰還と関西呪術協会の長近衛ほのかとの結婚。
東洋最高の魔力と思われる近衛木乃香の出産。
そして仲間を祝いに来た「紅き翼」の訪問と関西呪術協会の総本山への逗留。
何故か復活したリョウメンスクナノカミとその再封印をする「紅き翼」。
復活の原因の調査や発表もされぬまま、その功績?による近衛詠春の関西呪術協会の長への就任。
ちなみに就任への組織内からの期待は、1.健全な組織運営、2.次期当主である近衛木乃香への教育、3.魔法世界でのネームバリューによる先の大戦での謝罪と賠償、そしてそれらの後、4.関東魔法協会との「対等」な組織交流、にあったそうだ。
総て叶わなかった。
次期当主である近衛木乃香へのつなぎとしてしか考えられてない新たな長、近衛詠春は完全なワンマン体制を敷き、彼と詠春派と後に呼ばれる自派閥以外誰も望んでいない「親関東」路線を取る。ちなみにこれは他派閥からは「関東への隷属」としてかに見られていない。
近衛詠春は悲惨な大戦を経験し、「とにかくみんな仲良く」と考えていたようだ。
結局、大戦初期から自分の意志で参加していた近衛詠春にとって戦争に参加するということは、そこで技量拙くあるいは運悪く死んだとしても自明であり、当然のことであり、その覚悟もあった。
なので、戦争に参加して死んでも自業自得であると考えているのかも知れない。
まぁ、自分の意志で参加していた人はそうかも知れないが、「グレート=ブリッジ奪回作戦」で味方に殺された仲間は、自分の意志ではなく上からのあやふやな指示での強制参加であり、その身内にとってそれでは納得いくわけがない。当たり前である
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