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その凌辱ゲーを、ぶち壊す!
序章:――
第二話:猫(神)の恩返し 前篇
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確かに、エロゲの世界。しかもファンタジー世界だ。
 地方国家日本の大学生で、もやしっこでオタクな俺なんて、転生後二秒で御臨終だろう。ファンタジーの世界は厳しいのだ。某落ちこぼれの錬金術師だって、苦労していたし。
 そこで、神様との契約。うむ、お約束だ。
 しかし、契約の内容が読めない。目を瞑ってるだけなんてことはないよな。痛いのはやだなぁ……。
 などともんもんとしていると、

「――はい、目を開けるにゃ」
「お、終わ……っ!?」
 
 目を開くと、俺の目の前に映る風景は、ガラリと変わっていた。

 まず場所。
 さっきのような、果てのない白い空間ではない。まるで王族か貴族の部屋のような様相が、そこには広がっていた。
 豪華絢爛な装飾の施されたベッド。
 淡く室内を照らすロウソク。
 その他、部屋の品格の高さを示すかのように、所々に配置されている調度品の数々。
 だが、それらは俺の視界に入りつつも、認識までいかない。なぜなら、

「――ようこそ、我が閨へ」

 全裸の美女が、ベッドに足を組んで腰をかけて、妖しく微笑んでいたからだ。

「……っ!? な、なっ!?」
「ほれ、こっちにくるにゃ」

 美女は、腰かけているベッドの脇をポンポンと叩く。
 状況が飲み込めない。突然の場面転換に全くついていけない。
 それになにより、目の前にいる美女の裸体が、俺の網膜はおろか思考までを支配してしまう。
 血色の好さそうな、張りのある肌。四肢は細くて長いくせに、貧相さだとか貧弱さを全く感じさせない、健康的な肉付き。
 足元まで伸びる長く白い髪は、やや薄暗い室内にあって、煌めくように輝いていた。
 ――そして胸。
 おっぱい。
 大きいのではない。かといって小さいのでは、決してない。文句のつけどころのない形と、ツンと上向きに反る、おっぱい。

 思考停止ってレベルじゃねーぞ。童貞舐めんな。リアル生肌なんて、小学生の時に優紀子のを見たことがあるくらいなんだよ馬鹿やろう。あと妹のもか。
  
「にゃにをぼーっとしてるんだにゃ?」
「……へっ!?」

 気づけば、いつのまにか俺は美女の隣にちょこんと座っていた!
 完全に無意識だった……っ! 

「にゃ?」

 俺の顔を覗きこむかのように、美女は上目遣いに俺を見上げる。
 これは、やばい。
 すぐ右隣に、お互いの息が感じられるほどの位置に、美女の顔。手をほんの少し動かせば触れてしまう場所に、極上の身体。

「じゃ――」

 お互いの体温が伝わるかどうかという、微妙な一線を超えて、美女は俺に身体を押し付ける。はじめて実感する胸の感触に、失神しそうなほどの衝撃を受けるのも束の間、

「――にゃにゃ。これより契約(・・)を、始めるにゃ
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