序章:――
第一話:「まったく、いい人生だった――!(嘘)」
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えない。
変わりに映し出されるのは、俺の二十三年間の記憶。
小学生の時にアニメや漫画、ゲームの素晴らしさを知った。
中学生の時、ニコ○コに出会った。
高校生にの時に、エロゲと触れ合った。
積みあがるエロゲの塔。ひたすらにパソコンの画面と対話を繰り広げた大学時代。そして、今。
……なんというサブカルチャー人生。もし死んだ先に閻魔さまが現れたとしたら、こんな俺は間違いなく地獄行きだろう。堪忍しておくれ。あと五十年は生きるつもりだったんだ。それで挽回するつもりだったんだ。
つーか、もうちょっと俺の人生いろいろと波乱万丈あったわけで。たった四行で語られたりしたら元も子もないわけですよ。
えっとほら、妹に馬鹿にされたりとか、幼馴染にフラれて失恋したりとか!
……負け犬ェ……。
もう死のう。さっさと死のう。
◇
赤神祐司、事故死より二時間前。
◇
「あー……。鬱ぅー……。死にてぇー……」
自室でベッドにうつ伏せで寝転がりながら、俺はぶつぶつと、「鬱」だの、「死にたい」だのと呟いていた。
初っ端からウザいヤツだと思うかもしれないが、仕方ないじゃないか。
両思いだと確信していた幼馴染の藍川優紀子に、今日、いまさっき、振られたばかりなのだから。
物心ついた時からの付き合いで、小学校から大学まで同じ所に通って。
周りからは何度も、『お前ら付き合ってるんだろ』って言われるほどに、二人で一緒に居たのに。
いやまじで。妄想じゃないんだぜ? 優紀子は優紀子で、所謂BLモノに傾倒する腐女子だったりするわけで、趣味もかぶっているのだ。
まあ振られたんだけどね!
「うぅ〜、う?」
そろそろうつ伏せが苦しくなってきたので、身体を転がして仰向けになると、
「……」
何故か部屋の扉が全開になっていて、その向こうの廊下に、妹の鈴菜が仁王立ちしていた。
俺を不機嫌そうな顔でじ〜っと見つめてる。
やべっ、さっきの愚痴を聞かれてたか? いつからそこにいたんだ、アイツ……。
「……あんた、振られたの?」
「……」
「……はっ、ざまみろ。身の程を知れよ馬鹿兄貴」
「!!」
信じられない暴言を残して、鈴菜は冷やかに笑いながら廊下から立ち去る。
アイツ、ほんとになんなんだあの腐れ妹……。傷心に塩コショウを塗りたくるような真似しやがって……。
一瞬頭に血が昇ったが、何かを言い返す気力すら失っていた俺は、去っていく腐れ妹の後姿を見送ることしかできなかった。
くそ。今日はなんて最低な日だ。
この鬱憤を如何にして晴らすべきか。こういう時は、お馬鹿で明るいエロゲをやって、心を癒すべきか?
……いや。こ
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