第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第19話:我が家流、商魂魂撃破方!
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ね!? 温泉街と知られた『アネイル』は、温泉だけじゃ無いんだよ……どうだい、俺が無料で観光地案内を引き受けるけど?」
昨晩の事に絡んでリューノとシン君の事を考えて歩いていたら、町一番の大きな宿屋の前で観光案内を買って出てくれる人物に遭遇する。
見た感じ今から入ろうとしている宿屋の人間ではないな……
もしそうだとしたら宿屋に入る前に勧誘する必要性が皆無だ!
沢山の荷物を持ったままの客をそのまま待たせるなんて、サービス重視の宿屋が行う行為じゃ無い!
これはアレか……
サービス・設備・その他諸々も大手に敵わない弱小宿屋が、客をかっさらう目的で始めた観光案内だろう。
どうするか……いつもの俺である事を証明する為に、コイツ相手にリュカさん節を炸裂させるか!?
「観光に来たワケじゃ無いからいいッス!」
マーニャさん・ミネアさんは勿論、リューノもホフマンさんも乗り気になっていた観光案内を、俺の一存で断り切る。
皆、声には出さないが不満そうだ!
「いや……観光じゃなくても町の事を知るには良い機会だろう!? そんなに時間を取らせないから、俺に任せてみてはどうだろうか? 何てったって無料なのだから!」
6人という宿泊人数……小さな宿屋には見逃せない客だろう。
ましてや俺達には馬車がある。馬の管理料も無視できない!
「しつこいなアンタ……“無料”をアピールしてるけど、そんなにこの町を紹介したいのか? 何でそんなに紹介したいんだよ!?」
ここで素直に『俺の宿屋に泊まらせたいから!』って言えば、俺の負けを認めコイツの勧めに乗ってやろう。
「そ、そりゃ……俺はこの町が大好きで、色んな人に町の良さを知って欲しいからさ!」
はい、アウトー!
『お前等を騙して、俺が得をする』って感情を抱いてしまったね。
これでリュカ家からは嫌われる事必至だね。
「全部お前の都合じゃねーか! こっちは忙しいんだって言ってんだろ! 沢山の荷物を持って、宿屋の手前でお前の長話を聞かされ……いい加減ムカついてんだぞ! お前の案内は無料だろうが、俺達の貴重な時間を奪った事は有料なんだよ! 今すぐ金払え! 俺達の時間を奪った代金100ゴールド払え馬鹿者!」
「え……な、何で俺が逆に金払わされるんだよ!」
「“逆”って何だ!? お前のは無料だろうが! それとも無料ってのは嘘だったんだな! 後から法外な料金を騙し取る算段だったんだろ! 不届き者め……斬り殺してくれよう!」
俺は奴の言うとおり、逆に金を要求しそれに反論したところで激怒して見せ、ゆっくりと腰から剣を抜き放つ。
そんな俺を見て顔面蒼白になる無料観光案内男とマーニャ達……
慌てて俺を止めようとするが、事の次第を理解しているリューノによって止められる。
流石は身内……よくぞお見通
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