chargeT:宵の双銃剣舞[前編]
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に乗り込んで座る雲雀。
相変わらず図々しいヤツだな。
そして座席に座るな否や、持っていたビニール袋から特大のオニギリを取り出す。
……これ、オニギリっていうのか?
笹蒲やら明太子やらソーセージやら色んな物が、直径15センチあろうかという特大オニギリを包む海苔を突き破って飛び出してるんだが。
たっ、食べる気が失せていく。
「はい!七音の分!」
「あ、はぁ、ありがとう……」
「どうしたの?嫌いなものでも入ってた?」
「ん?いや、その……な、中身が見えるオニギリってのも珍しいなぁと思っただけだ。べ、別に深い意味はないから気にすんな」
「そっかそっか。んじゃ一口で全部食べてね♪残したら『投げっぱなしジャーマンの刑』だから♪」
な……に……をっ!?
直径15センチもある特大オニギリを一口で丸飲みにしろと!?
無理無理無理無理無理無理っ!!
蛇でもねぇ限りこんな大きなの丸飲みに出来るわけねぇだろ!!
挙げ句、食べれなきゃ投げっぱなしジャーマンって。
どんな罰ゲームだよ!!
「ぅんめぇ〜〜♪」
「そう?そう言って貰えて嬉しいよカズっち♪なでなで♪」
「うん♪ねぇ?おかわりはあるの?」
「おかわり!?カズ、おま」
「あるよ!そう言ってくれると思ってたくさん作ってきたんだ!七音も食べるよね?」
煽るなバカ野郎っ!!
これ1つで充分だっつーの!!
殺す気か!?
お前、俺を殺す気か!?
なんて内心、毒づきながら。
「わ、悪い。俺は1個で足りる」
「そっか。んじゃ仕方ないね。無理に食べさせて吐かれちゃこっちも困るから。七音の分もカズっちが食べる?」
「うん♪食べる♪」
「カズ……お前の胃袋は底無しか?」
「ん?多分そうかもしれない」
認めた!?
まさかの肯定ですかカズ?
そんな俺を尻目に黙々と食い始めた。
拍子抜けして突っ込めない俺。
一体どこまでボケ続ける気だ、お前ら?
突っ込む俺の身にもなれ。
変に疲れるわ。
と内心呟きながら、吸い終わった煙草の日を消し、特大オニギリにかじりつく。
「……うまっ!?」
あまりの美味しさに小声で驚いた俺。
見た目によらず美味いなこれ。
これで不味かったら最悪だよな。
そう言えば張り込んでいるのを忘れるところだった。
オニギリを片手に、手前にあるビルの入口に視線を向ける。
今回の依頼は人探し、だ。
今からちょうど5日ぐらい前、仕事を終えた俺たちのところへ1組の夫婦が現れた。
彼らいわく『家出をした娘を探して欲しい』と言う。
詳しく話を聞くと……。
ちょっとしたことで父親と口論になった娘さんは、家出をしたっきり一度も帰ってきてないらしい。
しばらくすれば帰ってくると思っていたが、さすがに心配になった彼らは警察に捜索願い
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