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蒼碧の双銃剣舞〜紅姫と幻視の魔王〜
chargeT:宵の双銃剣舞[前編]
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てみればふざけた話だ。
正直、ただでさえ稼ぎが少ないから食費だって切り詰めて生活してるんだからな。
報酬金(きゅうりょう)が安定しないのが、この武偵(しょくぎょう)の痛いところだ。

「七音ぉ、お腹空いたぁ」
「知るか。依頼を完了するまで待ってくれ。夕飯はそれからだ」
「うー、夕飯が朝飯になっちゃうよぉ」
「どこぞのサバイバル伝説だよ?つーかそんなに時間は掛からん。目標(ホシ)を取っ捕まえればそれで終わりだ」
「誰かぁ〜〜。あんパンでも良いから差し入れてくれぇ〜〜。お腹が空きすぎて死にそうだよぉ」

ぐったりと前に頭を垂れる一哉。
張り込みと言うこともあり、迂闊にここから離れるわけには行かない。
ここは辛抱あるのみ。
心でそう呟いたその時。
コンコンと運転席の窓を叩く音がした。
なんだよこんなときに。
ゆっくりと窓を開けるとそこには──。

「よっ!!やっぱ見たことある車だと思ったら七音じゃん!!3日も学校サボった挙げ句、こんなところでなにしてんのさ?」

窓から覗かせた可愛いらしい笑顔。
アッシュグレーのサイドアップポニーテールに長い睫毛、透き通る琥珀色の瞳。
男を誘惑する動く度に揺れるほど大きな胸、すらりとした脚線美が綺麗な脚。
武偵高の臙脂色のセーラー服を着、ミニスカをギリギリまでたくし上げている。
どんだけパンツ見せたいんだよ。
身長も俺とさほど変わらず、もはや雑誌の表紙を飾るモデルみたいだ。
彼女の名前は青野 雲雀(あおの ひばり)。
俺たちが1年生の頃からずっとつるんでる女の子だ。
俺と同じ強襲科に所属するとても元気な女の子で、最近ではそのセクシーなスタイルが話題を呼んで人気急上昇中のクラスメート。
初めて会ったときは、顔を見るなり口喧嘩していたぐらいだったが、今ではちょっと落ち着いて、友達のような良好な関係を保っている。
何度か一緒に依頼をこなしているが、常に前線で敵を引き付けたり、単騎で敵陣へ乗り込んだりと男勝りで勇敢な所がある。
しかし、自分の実力を把握していないようでいつも危険な目に遭う。
3日とは言え、今年に入ってからまったく喋ったことがなかったので、あっちから話し掛けてくれるなんて正直ちょっと嬉しい。

「うるせぇ。3日も費やして仕事の段取りをしてたんだ。今もうすでに仕事中だっつーの」
「マジで?ごめん、邪魔して。実はオニギリ作ったから差し入れに来ただけなんだ。みんなで食べようよ?」
「──ハッ、差し入れ!?待ってましたぁああああ!!」
「え?カズっち!?あんたもいたのか!?」
「あぁ。腹ペコで元気がなかっただけだ。気づかないのもムリねぇよ」

いきなり元気になる一哉を見て、俺は呆れながら言う。
助手席を開け、無理やり一哉を下ろすと、座椅子を上げて後部席
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