第一物語・後半-日来独立編-
第三十七章 風断ち行く者《2》
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む赤が爆発した。
爆発は衝撃を生み、騎神を後方へと押した。
爆風に負けないようにと、騎神は加速機を噴かせ姿勢を正す。
大気は圧され、そのなかで騎神は見た。
その爆発により五つの銃弾は弾き飛ばされ、加護の効果時間が切れたのを。
また、爆発し広範囲に放たれた赤が、中心、魔法術師の元に凝縮していくのを。
そして聞いた、その声を。
「マギク、マギク、イビルフォーム!」
唱える声に導かれ、凝縮した赤はマギトの身に吸い込まれていく。
吸い込まれながら、マギトの首から頬、手足の先まで身体の隅々まで赤の線が現れた。
血管のようにも見えるその正体は、魔力が流れる魔力回路だ。
暖ノ魔力のため赤く、血液が通っているようにも見える。
何が起こっているのか、分からないが何やら危険な感じがする。
思った。だが、騎神はただそれを眺めているだけだった。
「チェンジ! 黒姫|《ブラックプリセス》・魔闇|《イビルダーク》!」
叫びに応えるように、一つの映画面|《モニター》がマギトの背後に表示された。
合成側印度国|《ミックサイド・インドランド》所属の組織、魔|《イビル》のシンボルマークが映る映画面が割れると共に、マギトの背後の空間が割れた。
これは、騎神は思った。
『レンタル式の拡張空間!? まさか、魔装が出来るのか!』
割れた空間から液体のように、黒い闇が流れ出て来た。
闇は身体を包むようにマギトの身体を覆い、マギトが身に付けていた衣服が流魔分解された。
流魔分解した衣服は闇に取り込まれ、その闇がマギトの身体に貼り付くように、身体のラインを露わにする。
一瞬、闇に包まれた黒いマギトの身体に、太いもの、細いものなど無数の魔力回路が現れ、消えた後、闇が形を変える。
下半身を包む闇はスカートのように長く、上半身を包む闇は服のように。
闇の一部は宙に離れ、それが魔女帽子へと変わりマギトの頭へと落ちる。
マギトは軽く頭に乗った魔女帽子を掴み、引っ張り深く被る。
闇は形が変わるやすぐに黒以外の新たな色が付け加えられ、色が付いたそれは魔女服だった。
黒を主とした、魔法術師の誰もが目指す魔女が身に付ける魔女服に、マギトは身を包む。
「これ使うの久し振りだよね。カモン、魔箒|《イビルブルーム》・死闇|《デスダーク》!」
マギトは叫び、背後の拡張空間から黒の一線が放たれた。
一線はマギトの周辺を高速で移動し、マギトが右手を横に広げるとそこに向かって来た。
高速で動く一線はマギトの右手前にぴたりと止まり、その本体を現した。
あまりにも速く、目に捉えることの出来なかったその本体は先程の魔箒とは違う。
同じ箒型の銃砲だが黒い光沢を放ち、赤のラインが走っている。
死闇と名付けられた魔箒
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