出会い
Trick06_ね、琴ちゃん?
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ら一度も呼ばれていなかったため、
その言葉がどこか、くすぐったくて少しだけ笑顔になった。
「うん、わかった・・」
そのまま撫でられ続ける御坂。周りも御坂がもう大丈夫だと感じた。
「こうして見ると、本当の兄妹みたいですの。」
「西折のおにーちゃん〜! ジュディにもなでなでして〜!」
白井とジュディスの言葉で御坂が今の状況を思い出した。
中学2年生にもなって頭を撫でられるこの状況はかなり恥ずかしい(御坂的に)。
すぐに信乃の手を振り払った。
「ちょ! やめてよ信乃にーちゃん! もう子供じゃないんだから!」
「その割には、されるがままでしたよ。あと、また呼び方が戻ってます」
「うるさい! どうでもいいでしょ今は!」
御坂は顔を真っ赤にして反論、信乃は何事もなかったように注意し、笑っていた。
白井、初春、佐天は信乃の過去が気になったが、今は触れない方がいいと思い、
これ以上、口には出さなかった。
何より、元気になった御坂を見て笑いがこぼれて来たのだった。
「お姉様、お顔が真っ赤ですわよ?」
「もう、御坂さんったら、ふふふ!」
「御坂さん、照れちゃって可愛いですね〜!」
周りは先程の暗い雰囲気はなくなり、御坂の照れ隠しにみんなが笑っていた。
「さて、そろそろ暗くなってくる頃ですし、解散しましょう。ジュディスちゃんは
私が送っていきます」
締めるように西折が言ったので、5人はベンチから立ち上がり始めた。
「そうですね、もう暗くなりますし昨日の今日ですから。佐天さん、帰りましょう!」
「私達も帰りましょうか、お姉様。 あ・・結局、能力についての情報を
聞き出せませんでしたわ・・」
白井が思い出したようにつぶやいた。
しかし、この直後に信乃の能力を見る機会がおとずれるとは
誰も思ってなかった・・
「あのガキでいいんだな」
「ああ、間違いない。あの赤い髪だし、写真と同じ顔だ」
「あのガキ連れてくるだけで大金よこすなんて、変わったやつもいるもんだぜ」
6人が帰ろうとして立ち上がる光景を、木の陰から見ている男たちがいた。
男が持っている写真に写っているのは≪氏神ジュディス≫。
「連絡は行き届いているか?」
「ああ。金になる話って聞いてすぐに集まってきやがった。あいつらをぶちのめす
連絡は今からメールする」
「そうか、じゃ行くか・・」
男の手には金属バット。これから楽しいことをしに行く雰囲気ではない。
いや、男たちにとっては楽しいことだろう。
イライラしているときに人を殴り、それで金が入るのなら。
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