出会い
Trick06_ね、琴ちゃん?
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佐天がジュディスの前に膝を付いて目線を合わせた。
そして自分たちが歩いてきた方向を指さした。
しかし、ジュディスは首を振り、右手を挙げて指した方向はすぐ100メートルの
建物だ。
「・・・117支部ですね・・177支部とは微妙に間違ってますわ。」
「ジュディスちゃんって天然さんですかね・・」
苦笑いの佐天に言われて首を傾げるジュディス。
確かに天然オーラを感じる。
それはともかく
「西折のおにーちゃん〜! ジュディはのど乾いた。飲み物飲んで遊びに行こ〜!」
再び信乃に抱きついてきた。
「今日はもう遅いですし、遊びに行く時間はないですよ。近くの公園に自動販売機が
あるでしょうからそこで何か買ってから帰りましょうか。」
信乃は気にもせずにジュディスの肩を掴み、優しく引き離した。
駄々をこねる子供に言い聞かせるようにして言った。
「え〜!? 遊びに行きたいよ〜!」
「またお母さんが心配しますよ。」
「・・はーい〜」
昨日は帰ってからなにかあったのだろう。母親のことを出すと素直に諦めた。
「買ってきましたよ。≪ヤシの実サイデー≫でいいですか?」
「うん〜! ありがと〜!」
買ってきた飲み物をジュディスへと渡した。
ジュディスはすぐに缶を開けて飲み始めた。
飲み物は信乃と佐天の2人で買いに行き、他の4人はベンチで待っていた。
ちなみに佐天は自分から買いに行くことを進言したのだが、信乃が振ってくる話には
「は、はい!」「そうですね!」としか返せず、まともな会話にはならなかった。
「みなさんもどうぞ」
「ありがとっ」
「いだたきますわ」
「信乃さん、佐天さん、ありがとうございます」
「お金を出したのは信乃さんだから、お礼は信乃さんに言ってよ初春」
4人と同じベンチに座る佐天。信乃はそのままベンチの正面に立つ。
「お礼を言われるほどのことじゃないですよ」
信乃は相変わらずの笑顔で返してくる。
「信乃さんってずっと笑顔と敬語ですよね。私達は年下ですし、気にせず
普通にしてください!」
信乃の笑顔を見てずっと思っていたことを初春は聞いてきた。
「これはキャラ作りです。気にしないでください」
変な答えが返ってきた。
「またあなたはふざけた事を言いますわね・・」
「キャラ作りですか・・あはは・・なぜそんなことをしてるんですか?・・」
意外な答えに呆れた初春だが一応理由も聞く。
「口調の方は、ある人に仕込まれました。おかげで敬語でしゃべるのは
慣れています。
キャラ作りで笑顔と敬語を続けているのはですね、世渡りに役
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