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Verweile doch! Du bist so schon.
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ならばそれでいいのだ。ならば早くここから離脱しなければならない。さもないと、魂が潰されてしまうから。
「は、ハッ! そのお言葉、決して忘れはしませぬ!
では、私はこれで失礼させていただきます。王の眠りを妨げてしまい、大変申し訳ありませんでした……!」
そう震える言葉を残し、そうそうに空間からの離脱を図る悪魔。
彼はもう限界であった。もう、喋る気力も体を起こす力も残っていない。ただ、残りの全力を脱出のためだけに。
悪魔の姿が揺らめき、薄くなっていく。
上昇する、どこまでも。全速力で世界の中心から離脱する。
そうして、どのくらいが経ったであろうか。気がつくと悪魔は、どこまでも深い闇の中の中に漂っていた。
ああ、戻ってこれたのか……。
朦朧とした意識の中、よろよろと自分の拠点へと向かう。不快感こそ消えたものの、その魂は極限まで磨り減っている。その傷はそうそう癒えることはないだろう。
故に。拠点に戻ってきた悪魔は、ベッドに自らのすべてを預ける。
今は何も考えることはできない。体のすべての機能を休息に使う。深い深い眠りへと落ちる。
そうして、約三十日後。悪魔は睡眠から目覚めた。
体調は極めて良好。障害はすべて取り除いた。後は、彼女を探しにいくだけである。
右腕を空間に突っ込む。空間に保存していたものをすべて体内に格納し、起き上がる。
プランを確認し、持ち物を再確認する。すべては完璧、後は彼女を見つけるだけである。
ベッドを消し、塊の外にするりと抜け出す。
左手で塊に触れ、悪魔が何事かを呟くと、その塊は赤く光、悪魔の中に入っていった。
魂の同一化。しばらくこの世界に戻ってくることはない。故にここに残していく必要はないのだ。
さあ、全身全霊で彼女に会いにいこう。
そう意気込み。彼は思いきり空間を蹴り、この世界に別れを告げた。
次の瞬間、彼がいたのは草の生い茂る草原であった。
どこか見覚えのあるそこは、彼がかつて彼女と出会った世界であった。
世界が違えば時間の流れも違う。彼がこの世界に戻ってくるまでに、この世界ではゆうに数十年は過ぎていた。人間の女性であれば、よぼよぼの老婆になっているだろう。
だが、どれだけ時間が過ぎようと関係ない。彼女の輝きはその程度では損なわれはしないだろう。そう悪魔は考えていた。
それは実際にその通りであり、彼女は時間の制約を受けないほどの存在である。が、それは悪魔の知らないこと。
さあ探そう。まずはこの世界からだ。
彼は歩いた。草原を。砂漠を。雪上を。密林を。海上を。山上を。都市を。宇宙を。世界のすべてを探し、ついでに無数の人間を殺した。
しかし、決して見つかることはなかった。
この世界は外れか……。
そう呟き、彼の姿は
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