§47 -冠を持つ王の手-
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裁判だとか」
ハンムラビ法典はシャマシュに奉納されたものである、ということを考えればシャマシュが裁判官、というのはわからなくは無い。
「それで?」
まぁ、だから何、という話だ。……今のところは。
「つまりだ。自分が相手に攻撃しても、相手が自分を攻撃しても。加害者は敵対者全員で被害者は自分達である、と規定することによって常に」
「まてまてまてぇ!! なんだそのインチキ裁判は!?」
無視できない単語が出てきた。何が司法の神様だ。これで公明正大は絶対違う。
「アイツに聞けよ。まぁ最大でも相手によって与えられた傷以下の傷しか相手につけられないらしいがな」
須佐之男命の言葉に眩暈を覚える。全くもってひどい茶番だ。どこの弾圧国家だそれは。
「しかも範囲、笑うぜぇ。なんでも範囲自体は法律の及ぶ範囲内なんだとよ」
日本で使う法律、つまりは日本国憲法の及ぶ範囲ということか。島一つなどという範囲が点に見える広大な広さにもはやため息しかでない。
「一国マトモに影響下とか狂ってるだろ……」
頭痛が痛い、とはこういう時に使う表現なのだろうと護堂は実感しドン引きする。単一権能とはいえあんまりだ。
「はん」
だが、それに対して須佐之男命は笑うのみ。
「黎斗のヤツが「今世界には国際法ってのがあるんだよ♪」って言ってた日にはホント呆れたぜ」
「それはアリなのか!?」
地球全土が対象範囲、というブッチギリの影響下だ。いくらなんでも酷過ぎる。その話だと国際連合に加盟していない国でなら影響はないのだろうが、戦場が限定され過ぎる。時と場所を選ばず汎用性も高い。おまけに知られても対処が非常に難しい。
「……これが大先輩の能力か」
「オマケに「月も協定有るから範囲にはいるよね♪」とか狂ってやがる」
「……」
もはや何かを言う事すら馬鹿馬鹿しくなってきた。自分たちの能力など可愛いものではないか。だって都市の一つや二つを滅茶苦茶にする程度なのだから。護堂の権能を危ないという人間達に黎斗を見せてやりたいものだ。
「どうあがいても絶望、がキャッチコピーらしいぜ」
ああ、本当に絶望以外の何物でもないよ。心からそう思う。
「そして、そのインチキ、シャマシュが使ってるだろ。今、あれは裁判から共有に変わってる」
「は?」
「黎斗が言ってた。八雷神でシャマシュの”仕返し”を”共有”という概念に書き換えられないか、って。相手と傷を共有する、と考えれば書き換えはさほど労しないんだと」
「で?」
八雷神が書き換えるだの言われても今一話が見えない。須佐之男命は何を言おうとしている?
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