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銀河英雄伝説〜その海賊は銀河を駆け抜ける
第三十七話 護衛任務
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…」
ワーレン提督の言葉には溜息が交じった。

「思ったより反乱軍は手強い。連中は負ければ後が無い、その事を過小評価していたようだ。楽に勝てると思っていた」
俺の言葉にワーレン提督が大きく頷いた。
「確かにその通りだな。最近勝ち戦続きだ。何処かで反乱軍を甘く見た、油断したという事か……」

その通りだ。何処かで反乱軍を甘く見た、簡単に勝てると思っている。若い連中の焦りもそこに有るのかもしれない。簡単に勝利が、武勲を得る事が出来ると思うが故に今回の機会を逃がしたくないと思ってしまう……。勝利を得ることの難しさを理解すれば武勲を上げる事よりも勝つ事に対して真摯に向き合えるのだが……。



帝国暦 490年  3月 15日    マーナガルム  コンラート・フォン・モーデル



艦隊はランテマリオ星系に差し掛かろうとしている。フェザーン回廊の入り口で輸送船団をメックリンガー提督から受け取ったんだけどこれまでの所は何も問題無かった。反乱軍も接触してこない。

もしかすると逃げちゃったのかな。反乱軍が逃げても不思議じゃない、なんて言っても護衛の司令官達の顔ぶれが凄い。ロイエンタール提督、ミッターマイヤー提督、ケンプ提督、ルッツ提督、ワーレン提督。帝国でも一線級の司令官達だ、その五人の提督を黒姫の頭領が率いている。カッコいいよな、艦隊司令官を率いる海賊かあ。黒姫の頭領だけだよ、そんな人は……。

あと十日もすればガンダルヴァ星域に着くけど、どうなのかな。頭領が護衛をしてるってことは帝国軍はあまり良い状況じゃないのかな。でも一回も戦っていないし反乱軍を見てもいない。なんか変な戦いだ。リンザー大尉に訊いても首を傾げている。

艦隊が出撃するって聞いた時は皆緊張したけれど今では皆普段通りだ。なんか良く分からない……。
「最後尾のロイエンタール艦隊より入電、後方に正体不明の艦隊の存在を確認。但し、目視は出来ず」
オペレーターの声が上がると艦橋がザワッとした。皆が顔を見合わせている。

「参謀長、全艦隊に第一級臨戦態勢を」
「全艦隊に命令、第一級臨戦態勢を執れ」
頭領が指示を出すとメルカッツ参謀長がオペレーターに命令した。それを聞いてオペレーターが各艦隊に命令を出す。一気に艦橋の空気が緊張した! 凄い、これが戦闘なんだ。

「ロイエンタール提督の艦隊を相手に正対させてください。但し陣は崩さないようにと。それと索敵を命じます」
「ロイエンタール艦隊に命令、正体不明の艦隊に正対しつつ最後尾を守れ。陣を崩す事を許さず。なお索敵活動により正体を確認せよ」
頭領の指示を参謀長が命令にしてゆく。緊張するよ、空気がヒリヒリする。

艦隊は輪形陣を執っている。先頭は頭領、最後尾はロイエンタール提督。進行方向から見て右側にミッタ
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