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レンズ越しのセイレーン
Mission
Mission9 アリアドネ
(3) クランスピア社正面玄関前~チャージブル大通り~クランスピア社正面玄関前 A
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タシが仕組むんじゃなく、ルドガーが自身の意思で選ぶ。それが何よりも、あの人たちの手向け花になると信じて)


「あ」
「わっ。なに?」
「『道標』、持って来ちゃった。コレ、分史対策室に預けてくる」

 ユティは踵を返した。

「って、今から!?」
「ルドガーとミラの話し合いが終わってからじゃタイミング、逃す」
「はあ〜、もう……行ってらっしゃい。僕とエルはここで待ってるよ」
「早くしてよっ」
「ナァ〜」
「10秒で行ってくる」
「そのスピードは力学的にも物理学的にも無理! 普通のペースでいいから」

 ジュードには答えず。ユティは砂埃を上げてクランスピア社まで走って行った。






 本社ビルの正面玄関はそこだけで一つセレモニーが催せるほど広い。現に新入社員の入社式はここで行われているという。

(若い頃、クランスピア社に正式入社した頃のユリウスは、ここに立ってどんな想いでビズリー社長の訓示を聴いていたのかしら。どんな想いで、毎日この場所を行き来し続けたのかしら)

 ユティはお守りのように最後の「道標」を握りしめ、意識をシフトした。

「そういうわけだから。ミラにちょっかいかけないでね、お医者さん」
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