十五話
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笑む
「じゃあな。いや……またな、レイフォン」
そうして、今度こそ止まらずにニーナ・アントークは去って行った
「ニーナ、遅いよ!」
「済まないなハーレイ。少しよる場所が有ったのでな」
「ふーん。まあ、とりあえず乗ろうよ。時間直ぐだし、外に出てて見つかったらまずいだろうからさ」
バスの停留所に着いたニーナをハーレイが迎える
ニーナと同じようにコートを羽織り、荷物を詰めたバックを背負って待っていたハーレイはニーナが来るのを確認してバスへと乗り込む
それに続いてニーナも乗り込み、共に後ろの方の座席へと座る
ニーナ達が最後だったのだろう。荷物を置いて外を見ると一服していた運転手が乗り込み、エンジンがかかったのが振動で伝わってくる
「そういえばさ、どこ行ってたの?」
「ん? ああ、レイフォンの所だ。最後の挨拶にな」
「あー、それなら僕も行っとけば良かったー!!」
「忘れてたのか?」
「あ〜……まあ、うん。いや、一応手紙に残しといたんだけどね。後で届くようにしてさ」
「まあ、それならそれでいいじゃないか。……っと、どうやら動き出したな」
「あ、ホントだ」
話している間にバスは動きだし、時間と共に見慣れた風景は段々遠くなっていく
見慣れた風景が小さくなるごとに本当に出ていくのだと実感し、今更だが小さく恐怖を感じてしまう
だが、本当に出ていくのだと、しがらみ無く自由に世界を見れるのだという期待がそれを塗りつぶしていく
「ニーナはさ、レイフォンとどんなこと話してきたの?」
「私の思いを告げてきた。世界を見たいと、ふんぎらせてくれてありがとうと。最後だからな、伝えられてよかったよ」
「ふーん。ま、僕はまた後で言えばいっか」
「ああ、そうだな。……ん? 今、なんて言った」
ついそのまま返事を返してしまってからハーレイの言葉の違和感に気づく
「何故、“また後で”なんだ?」
「いや、手紙出せばいいし」
「……確かにレイフォンはまだシュナイバルに残る。出せば届くか。だが、後数ヵ月で来てから一年だろう? 間に合わない可能性もあるな。途中ででもすぐに出さないと」
「あ〜……もしかして、ニーナ知らないの?」
「……何がだ」
微妙な視線を向けてくるハーレイの目に何故だか焦りを感じながらニーナは問う
その微妙な焦りを幼馴染故の経験で感じながら、ハーレイは言った
「いやその、レイフォンのグレンダンでの住所。僕知ってるんだけど……」
「……なん……だと!?」
旅に出てそうそう、ニーナは打ちのめされた
そんな会話でハーレイはニーナの精神を削りながらも、放浪バスは無毛の大地を掛け、二
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