After days
挿話集
Calibur―聖剣―
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壊し、檻を開けてしまった。
「……ありがとう、妖精の剣士様」
「立てるかい?怪我ァねえか?」
「ええ……、大丈夫です」
よろける美女を紳士的な手つきで支え、クラインは更に尋ねた。
「出口まではちょっと遠いけど、1人で帰れるかい、姉さん?」
だが、その質問がこのルートの正解のキーワードらしく、金髪美女はこう言った。
曰く、一族の秘宝がスリュムに盗られたので取り返しに来たら捕まってしまった。どうか一緒に連れていってくれないか?
というような内容を女性的で上品な口調で言った。で、
紆余曲折の果て、俺達の新しいお仲間の美女、フレイヤがスリュム戦に同行することになった。
「ははん?そーゆーシナリオか……」
「ん?知ってるのか?」
解説のハンニャさんが訳知り顔でニヤリとするのを発見した俺は振り向いて訊ねる。最後方にいる俺達の話を聞いている連中は居ない。
「いや、ネタバレはやめとく。……1つ、罠じゃなくて当たりだったことぐらいだな」
「……それだけで十分安心さ」
ハンニャはレーヴァテインを背負い直すと少し足早になって歩を進める。
(……何を、焦っているんだ?)
このクエストが始まってからハンニャとアルセに対して幾度と無く感じた違和感。この時レイはその理由を知る由も無かった。
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