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少女1人>リリカルマジカル
第三十一話 少年期M
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妹が台所からトテトテとやってきた。最近はアリシアのお手伝いスキルが認められ、家庭の大御所キッチンの中に単独で行動することが許されている。ちなみに俺は冷蔵庫を開ける以外、基本進入禁止だ。手厳しい。

 そんなアリシアが身に着けているのは、猫のアプリケットのついた優しい桜色のエプロン。少しぶかぶかだが、そこは成長するだろうとのことで、引き摺らないように母さんが紐の長さを調節している。これはこの前デパートへ買い物に行ったときに一緒に買った、アリシアの6歳の誕生日プレゼントである。

 例の事故でドタバタしてしまい、なかなかゆっくり買い物ができる時間もなかったため、随分時期がずれ込んでしまったのだ。ちなみに俺も同じ日にプレゼントを貰えたので、さっそく使い込んでいる。

「いいなー。ねぇ、私もバリアジャケット作れるかな?」

 妹のバリアジャケット。アリシアの顔を見つめる。黒のスク水、黒マント。うん、けしからん。って、俺の想像がけしからんわ。

「えーと、あれだ。アリシアはもうちょっと大きくなってからの方がいいぞ。ほら、女の子は成長が早いから」
「うーん、そっかー」

 そこまで乗り気ではなかったからか、アリシアは素直に引いてくれた。さっきの想像も大概だったが、アニメをよく見る子どもに変身衣装なんてものをあげたら暴走する可能性大過ぎるだろ。分別がつく年までは封印してもらうべきだ。

「……そうだわ。アリシア、いつかお母さんと一緒にデザインを考えてみましょうか。お母さんのデバイスを貸してあげることもできるから――」
「待って母さん。笑顔でやばいフラグ立てないで」



******



ケース@ 地上本部の場合


「というわけで、バリアジャケットの案何か下さい」
「え、お前何調べてんだ」
「バリアジャケットのデザインかー、懐かしいのぉ。儂も若いころは色々夢をふくらませものじゃ」
「え、なんで乗り気なんですか」

 融通を聞かせて闇の書調べをさせていたら、バリアジャケット考案の話が持ち出された。ゲイズは頭痛がする頭を押さえながら繋がりを考えるが、すぐに放棄する。深く考えてもきっと無意味だと悟ったからだ。

「儂の場合は、防御面を重視した甲冑を意識したの。昔はもう少し身軽だったが、今は総司令官として最後まで立って指揮をしなければならないからな」

 総司令官からの話になるほど、と相槌を打ちながらメモを取るアルヴィン。そしてメモを取り終わると、そのまま視線を隣へと移す。それに総司令官も一緒に首を動かし、隣を見つめる。ゲイズは冷や汗を流した。

「ざ、残念だったな。俺にはリンカーコア自体がないんだ。参考にはならん」

 今まで何故自分に魔力がないのか、と嘆いたことはあった。だが、それがこの瞬間の
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