第三十一話 少年期M
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わからないなら質問しましょう。これどんな時でも大切。メモ帳片手に、知り合いの方々に聞いて回ることにしました。デザインも重要だが、やはり実際に使っている人の意見も参考になるはずだろう。
専門家である父さんは、現在お仕事の真っ最中だろうから連絡が取れない。こういうことはよくあるので仕方がない。メールだけ送っておいて、あとで意見を聞こうと思う。そんなわけでまずは、身近な大魔導師さんの意見から聞くことにしました。
ちなみにバリアジャケットとは、通称『防護服』とも言われている。魔導師の勝負衣装という認識でいいと思う。かなり使い勝手がよく、魔導師を守るために不可視の防御結界も形成してくれる。多少魔力は食うが、デメリットも特にないため、魔導師ならほぼ必ず装備しているもの。魔法少女には必須の変身アイテムだ。
「母さんはどんな風にバリアジャケットを決めたの?」
「そうね。私は色と性能をある程度イメージしたら、デバイスがそれを考慮して作ってくれたって感じかしら」
大抵の人はデバイスにもともと登録されている衣装だったり、ある程度の指針だけを示してデバイスに任せるパターンが多い。登録されている場合は、企業や組織系に多い。管理局でも同じような衣装を着ている人を何回も見たことがある。制服のようなものなのだろう。
後者はなのはさんや母さんのようなタイプ。なのはさんは学校の制服をイメージしたらしいし、術者の素質に合ったものを選んでくれる。全部デバイス任せな人もいるらしいけど、その場合素質のみに偏るため時々残念なものが出来上がるらしいが。
ただ俺の場合、この大多数の方々と同じ方法はちょっと遠慮したい。俺が使うデバイスが普通ならいいが、コーラルである。こいつの場合、適当に任せると自分の主観で作りそうなのだ。俺のことなどほぼ関係なく。
コーラルに服のセンスがあるのかまったくわからない。しかも下手したら今嵌っているものとかで構成し出すかもしれない。前回ちきゅうやにコーラルを連れて行った時のことを思い出す。うん、任せられない。
「私は髪と合わせて、黒をイメージしたわね。ロングレンジが主体だから、接近されると私の場合対処が大変でね。まだ魔導師時代だったころに作ったから、こう私はすごいわよ、って相手を怯ませられるような感じがいいかなって思ったわ」
なるほど。それがボンキュッボンな服の元ですか。我ながら表現が古い。間違いなく相手は怯みますね。もう女王様というか、目のやり場に困るというか。……母さんのデバイスわかっていてやってないよな。
「むぅ? お兄ちゃん、お洋服作るの?」
「アリシアか。うーん、まぁそんな感じかな。それにしても良く似合っているな、そのエプロン」
「えへへ。ありがとう」
俺と母さんの話に釣られ、
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