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ヘタリア大帝国
TURN73 思わぬ復活その八
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 彼はすぐjに総統官邸に入り先日までレーティアが座っていた総統の椅子に座った、そして彼の真の側近達にこう言った。
「小さいな」
「前総統の椅子はですか」
「小さいですか」
「ああ、何しろ小柄な女の子だったからね」
 総統の机に左肘をつき右手を軽く動かしての言葉だった。
「俺には小さいね」
「ではすぐに椅子を替えますか」
「そうされますか」
「まずはそれからだね。さて、連合軍はドクツ本土からは去ったけれど」
「ソビエト軍は壊滅しています」
 今の時点で連合軍の主力の一方の彼等がそうなっていることも話された。
「見事なタイミングでしたね」
「新型爆弾を作動させられましたね」
「狙ってたよ」
 ヒムラーは側近達に軽く述べた。
「あのタイミングをね」
「そして爆発のボタンを押された」
「そうされましたね」
「ソビエト軍を壊滅させてそして」
 さらにだったのだ。
「俺が機械の艦隊とサラマンダーを引き連れて出て来た」
「誰もが動きを止める」
「まさにそうですね」
「正直ね、あの娘が自害したのは意外だったよ」
 ヒムラーもこのことは想定していなかった。
「ベルリンの何処かに国民の誰かが匿ってると思ってたけれどね」
「しかし誰もそれはしていません」
「ですが総統官邸にはいませんので」
「このことはソビエトに潜入させている者も報告しています」
「それも秘密警察にいる者からです」
「そうだね、ベルリンにもう完全にいないとなると」
 やはりレーティアの性格から言うヒムラーだった。
「自害したね」
「死体は見えませんがこのことは」
「誰かが焼いたね、骨までね」
 それでもうないというのだ。
「そしてあの胸のでかい女もね」
「前総統と共に自害して、ですね」
「死体を焼かれましたか」
「火葬ねえ。仏教徒みたいだね」
 ヒムラーは少しシニカルな、侮蔑も含んだ笑みで述べた。
「ファンシズムの美学とやらには殉じてはいるけれどね」
「はい、去る時は潔く」
「それにですね」
「まあ取り入って操るつもりだったけれどね」
 これはヒムラーが最初から考えていることだ。
「いないならいいさ」
「ではこれからは教皇が総統ですね」
「この国の」
「そうさ、俺がドイツ第三帝国の第二代総統だよ」
 それになるというのだ。
「あの娘から後事を託されてドクツを救う男ってことだ」
「では総統、これからどうされますか」
「まずは」
「ドクツもダメージが大きいからね」
 すんでのところでベルリンも陥落、実際にそうなっていたところだ。それでダメージが大きくない筈がなかった。
「連合軍との戦いは出来ないね」
「それでは講和ですか」
「その選択ですね」
「そのつもりだよ。俺は枢軸とかには興味がないんだ」
 
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