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王道を走れば:幻想にて
第四章、その8の2:迫る脅威
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ある大蜥蜴に睨まれて物怖じ一つ見せぬその胆力は凄まじい。だがミルカにはその対応は蛮勇のそれにしか見えないものであった。余りにも危険過ぎる行為であった。
 数十秒の言葉にならぬ沈黙のうち、不意に蜥蜴の瞼がぱちりと瞬いた。再び露わとなったその大きな瞳には、すっと窄まった瞳孔が見える。明瞭な殺意の現れだ。

「っ、拙い!」

 ミルカよりも先にレイモンドが声を出す。その瞬間、蜥蜴の長い首が俄かに引っ込み、光の様に繰り出された。牙が向かう先には無防備な姿を晒している熊美が居た。 


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