第一章 グレンダン編
道化師は手の中で踊る
別れは唐突に
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の生き物のように扱うルイメイ。超重量級の鉄球が縦横無尽に繰り出す様は、見ているだけで威圧感を感じる。
そしてそんな鉄球の前をゆっくりと進むリヴァースの姿があった。
超人である武芸者でも行くことを拒みそうな空間を、リヴァースは怖気付くことなくルイメイの盾として動いていた。
リヴァースは決して勇敢な男ではない。普段の彼の姿を見てる者は揃って首をうなづくだろう。そして彼自身、自分が勇敢とは程遠い性格と自覚している。
しかし、リヴァースの戦い方は自殺行為にも等しい。
通常、武芸者は高速戦闘を主としており、防御面では脆弱と言っても過言ではない。一撃をもらえば即、死につながる戦闘だ。誰も汚染獣を一手に受ける『カカシ』にはなりたくはない。
だが、リヴァースはあえて『カカシ』となった。
必要以上の装甲のせいで、アニメ映像のロボットのような印象を受けるリヴァース。(地味に人気で、「機動武芸者リヴァーン」なんてものが作られたりしている)
「GAYAAAAAAAAAA!!」
二体の老生体が鉄球の合間を通ってリヴァースに殺到する。傍から見ても、リヴァースは自殺願望者にしか見えない。
しかし、リヴァースは回避の素振りすら見せない。老生体たちは力任せに、リヴァースを引き裂こうとそれぞれの武器を振り下ろした。
汚染獣という人間を超えた存在が繰り出す一撃は、人間を粘土のように引き裂くことだろう。老生体たちも笑みをこぼしながら、無残になったリヴァースを想像していた。
「……」
活剄衝剄混合変化、金剛剄。
次の瞬間、老生体たちはリヴァースの身体に触れた瞬間、武器ごと老生体たちを吹き飛ばした。
その様子を見て、リヴァースはそっと息を吐く。
彼がしたのは、単純な防御剄技だ。活剄による肉体強化と同時に衝剄による反射、原理は難しくない。だが、この技はいわゆるカウンターだ。最後の一瞬まで神経を集中させてないと、先ほどの効果は望めない。
誰でも出来る技だと、リヴァース自身は言う。
しかし、考えても見て欲しい。汚染獣から放たれる殺気、そしてその攻撃の激しさを最後まで見ながら跳ね返せるか? 答えは否である。
「ふぅ、ルイメイ。後は頼んだよ」
「任せろ、勇者様」
ルイメイは軽口を叩きながら、鉄球を操る。
勇者様というのは、リヴァースの称号のようなものである。
「逃しゃしねえ!!」
ルイメイは上空から鉄球を落とす。
一体の老生体が、先ほどの金剛剄の勢いを相殺出来ていなかったのか、回避できずに鉄球に押しつぶされる。
もう一体は、鉄球が振り下ろされたのを好機と見たのか、ルイメイに向かって突っ込む。
「行かせないよ!」
だが、その行動は勇者によって阻まれる。
衝撃をそのまま跳ね返された老生体は、吹き飛び
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