フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第五十七話 面倒事
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
?」
「お前はオレのパーティーの一員としてすでに名が通っている。そのお前が理由も無く抜けて他のパーティーに入ったりすれば、こちらの顔にd――」
「なぁ、リーファ。そんな奴放って置いてさっさと行こうぜ。ただでさえキリト君の武器選びに時間が掛かっちゃったんだしさ」
シグルドが何か言っていたようだが、そんなことをお構いなしにそういうソレイユ。その隣ではキリトが悪かったな、などといって口をとがらせているが今はかまう必要性が無いので無視する。いきなりの乱入者にシグルドの顔が不機嫌にゆがむ。
「・・・何だ、貴様。インプ風情がなぜこんなところにいる」
「どこにいようとおれの勝手だろうよ。それよりも、こんなザコ放っておいてさっさと行こうぜ、リーファ」
「・・・なんだと・・・」
ソレイユの言葉にシグルドは眉を顰めた。だが、そんなことは気にせずにソレイユはシグルドに向きなおり口を開いた。
「お前みたいな弱っちぃ奴に構ってる暇はないって言ったんだよ」
「きッ・・・貴様ッ・・・!!」
ソレイユのどストレートな物言いにシグルドは瞬時に顔を憤怒で染め上げ、長いマントを巻き上げ剣を抜き放ち、ソレイユに突き付けた。
「根暗なインプ風情がつけあがるな!どうせ、領地を追放された≪レネゲイト≫だろうが!」
「見せ掛けだけの奴にそんなこと言われたくないなー」
「ちょ、ソレイユ君!」
なおも挑発をするソレイユ。リーファが驚いたように声を上げるが、ソレイユは気にも留めない。
「・・・のこのこと他種族の領地まで入ってくるからには斬られても文句は言わんだろうな・・・」
「あんたごときにおれを斬ることができるんならなー」
額に青筋を立てながら剣を構えるシグルド。それを見たリーファがソレイユのことを庇おうとするが、ソレイユはそれを手で制した。
シグルドが臨戦態勢に入ったにもかかわらず、ソレイユは肩の力を抜き左手はズボンのポケットの中につっこんでいるだけである。腰に差した刀を抜くことをしないソレイユにリーファは声を荒げた。
「なにしてるの、ソレイユ君!シグルドはいつも私とシルフ最強剣士の座を争ってる剛のプレイヤーなのよっ!?」
「へぇー、そうなんだー」
それでも構えようとしないソレイユ。その余裕な態度にシグルドは腹を立てながら剣を振りかざしながらソレイユに突っ込んで行った。そこで初めてソレイユが右手だけを動かした。
「遅いわっ!!」
その激昂と共に振りかざした剣をソレイユに向かって振り下した、のだが――
「ふむ」
その刃がソレイユに当たることはなかった。リーファやキリト、いつの間にか集まっていたギャラリー、そして、当事者のシグルドでさえ何が起こったのか理解できなかった
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ