第四十話〜地下の攻防〜
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消えるのは当然であった。
飛行のための推力を失ったライは地面に着地する。
着地の姿勢からクラウチングスタートのような姿勢になるとライは呟いた。
「アクセル」
加速魔法を発動し、ライは雷光との距離を詰めた。
距離を詰めると同時にライは蒼月とパラディンのMVSを展開、起動し雷光の冷却系と機銃の部分を切り裂いた。
雷光の機能がほぼ停止したのを確認したライはフォワード陣と合流する為に歩みを進めた。
この時、ライが携帯していたカートリッジのマガジンは蒼月とパラディンに装填されていたものしかなく、予備のマガジンを携帯してはいなかった。因みに予備のマガジンの常時携帯は管理局の許可が必要である。
パラディンの左右の翼とヴァリスの3つのマガジンには各6発ずつのカートリッジが装填されている。今はギンガを救う際に使ったものと、戦闘に使ったもので左右の翼のカートリッジをそれぞれ半分消費していた。
その為、カートリッジの消費を抑えるためライは移動に走ることを選んでいた。
ミッドチルダ・市街地
ライがギンガを助ける少し前、ライ達の近くにいたルーテシアはある通信を受けていた。
『ヘリの方のマテリアルは私たちの方で回収しますので、お嬢様には地下にあるレリックの回収をお願いします』
通信相手はウーノであった。要件を言い終えた彼女は少し気になったことを尋ねていた。
『お嬢様、騎士ゼストとアギト様のお二人は?お姿が見えませんが』
「今は……別行動」
『お一人で大丈夫ですか?』
「一人じゃないよ………私にはガリューがいるから……」
『失礼しました。では依頼の方をお願いしますが、何か困ったことがあればそちらにいる妹たちにお申し付けください』
このウーノの言葉に少しルーテシアは疑問を覚えた。今の彼女の言い方では、元々ウーノの妹たちがこの辺りにあらかじめ来ていたことになるのだから。
「……なにか、あったの?」
『その……ここしばらくやることがなかった妹が彼に会いたがりまして、街に出ていた彼を観察しに行ったようで……』
その答えにルーテシアは一瞬驚いた表情を浮かべる。しかしすぐにいつもの無表情に戻り、理解できたという意味を込めて頷いてみせた。
『それではお嬢様、お気を付けて』
「うん」
そのやりとりを最後に通信は閉じられる。そしてその場に立っていたルーテシアは両手に着けているグローブ型のデバイス、アスクレピオスに向け言葉を紡いだ。
「行くよ……ガリュー」
そして彼女は取り戻すことと再開することを望み、その戦場に足を踏み入れた。
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