第四十話〜地下の攻防〜
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きた通路に直様引っ込んだのだ。その際に、砲撃によって舞った破片がギンガの障壁に接触したのだが、その衝撃が生半可なものではなかったのだ。
(直撃を喰らえば、確実に命を落とす。でもここで立ち往生していれば、救援にきた誰かがあれの攻撃を受けるかもしれない)
一度、敵機についての情報を通信で送ろうとしたのだが、この辺り一帯に展開されているAMFと地下という環境のせいで情報を送れなかったのだ。
その時点で、彼女の思考からは別ルートで迂回して進むという選択肢は消えていた。
(見たところ、あの砲台以外に目立った武装は無い……なら、後ろに回り込めれば!)
ギンガは自分が入り込んでいる通路から出ようとする。その際に自分を鼓舞するために相棒に声をかける。
「行くわよ、ブリッツキャリバー!」
その掛け声とともにギンガは身を乗り出した。
(初撃を見切れさえすれば!)
雷光に向かって突撃をかけるギンガ。彼女の視線は雷光の砲台に釘づけになっていた。
雷光のリニアキャノンは冷却の問題で連射ができない。偶然ではあるが、ギンガはその冷却中に突撃したため、このまま行けばギンガが雷光に取り付くのと雷光がリニアキャノンを放つのは前者の方が先であった。
だが、雷光の装備はそのリニアキャノンだけではなかった。
「なっ!」
ギンガの口から驚きの声が漏れる。雷光には基部になっている4機のナイトメアがある。その4機にはそれぞれ腕部に機銃が装備されている。その機銃は今まで格納され遠目では見えなかったが、ギンガが近づき迎撃のために展開されたそれが今はハッキリと見ることができた。
展開された機銃の全てが火を噴く。
「このッ!」
咄嗟に障壁を展開しギンガはその弾幕を受け止める。幸いにもその機銃の威力はそこまで高いものではなく、ギンガの障壁が突破されることはなかった。
しかし障壁は突破されることはなかったが、彼女は足を止めてしまった。そして雷光にとってはそれだけで十分であった。
(マズイ、マズイ、マズイ!)
心臓が早鐘を打ち、今の自分の状況がどれだけ危険なのかを嫌でも把握する。
次の瞬間、ギンガは雷光の冷却の終了したリニアキャノンが放たれるのを知覚した。その事について思考する前に彼女は自分の死を受け入れそうになった。
「喋らないで。舌を噛む」
「え?」
そんな時、いきなり彼女のすぐ近くから声が聞こえた。それと同時に彼女は浮遊感を感じる。その数秒後、雷光の放った散弾式の砲弾が破壊の爪痕を残す音が響く。
ギンガはその音に反射的に目を瞑ってしまう。だが何秒たっても痛みを感じないことに疑問を感じた彼女は恐る恐る目を開ける。
彼女の視界に入ってきたのは鮮やかな銀の髪に蒼い瞳を持つ
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