第二幕その九
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第二幕その九
「その時はだ」
「そうです」
そしてグートルーネも蒼白になって言うのだった。
「ブリュンヒルテの言葉は一体」
「そうだ、潔白ならだ」
「是非訴えを言い伏せて」
「そのうえで誓いを」
「わかっている」
ジークフリートもそれを言うのだった。
「その訴えを言い伏せてそのうえで誓いも立てよう」
「その言葉偽りはないのですね」
「それは」
「ない」
はっきりと言うジークフリートだった。
「だからこそ誓おう」
「そうなのか」
「それでは」
「貴方達の中で」
ギービヒの家臣達を見回しての言葉である。
「私と共に武器を持って誓う人はいるか」
「それではだ」
ここで出て来たのはハーゲンだった。
「私の槍でいいか」
「ハーゲン、貴方がか」
「そうだ、それでいいか」
こう言ってきたのである。
「私の槍で」
「わかった、それではだ」
ジークフリートもそれを聞いて言うのだった。
「煌く槍よ、我が永遠の誓いを守るのだ」
「うむ」
「槍の穂先にかけて誓おう。私が傷を受けるとすれば」
その時はというのである。
「私を斬るのは御前なのだ」
「我が槍が」
「そうだ」
そしてさらに言う。
「彼女の訴えが真実で私が兄弟の誓いを破ったならば」
「そうです」
ブリュンヒルテもここで言うのだった。
「煌く槍よ、聖なる武器よ」
「貴女も誓われるのか」
「誓います」
彼女も言うのだった。
「この槍の穂先にかけて。その神聖な力で彼を裁くのです」
「その言葉偽りではなく」
「そう、偽りではない」
まsないそうだというのである。
「彼は誓いを全て破った。全て偽ったのだ」
「雷神ドンナーよ」
「その雷でこの汚辱を晴らして下さい」
「どうか」
家臣達も女達も言う。
「この恐ろしい場を」
「その雷で」
「グンターよ」
「何だというのだ?」
「貴方の妻を鎮めてくれ」
そうしてくれと言うのだった。彼に顔を向けてだ。
「この荒々しい岩屋の女を休ませ落ち着かせてだ」
「そうしてくれというのか」
「そうだ。悪霊が我々を怒らせようと企んでいる」
彼にしてはそうとしか思えないものだった。
「誰もに帰ってもあってだ。私には全く訳がわからない」
「その言葉真実なのだな」
「私は嘘は言わない」
少なくとも言っているつもりはなかった。
「誓った通りだ」
「そうなのか」
「隠れ兜を使ったというのにだ」
ここでは小声になって囁くのだった。
「彼女を騙すことには失敗した。それは残念だった」
「そうだな。それは」
「その通りだ」
はっきりと言うジークフリートだった。
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